JR東海経営の病院、心臓カテーテル治療の事故相次ぐ 患者死亡も

AI要約

JR東海が経営する名古屋セントラル病院で起きた心臓のカテーテル治療に関する事故について、患者の植物状態や死亡などが報じられている。

40代男性は注射の取り違えにより致死性不整脈を起こし、植物状態となった。50代女性はカテーテル治療中に出血性ショックで死亡した。

院内では医療ミスが指摘され、家族には最初は合併症と説明されたが、後に取り違えの可能性が伝えられた。

JR東海経営の病院、心臓カテーテル治療の事故相次ぐ 患者死亡も

 JR東海が経営する名古屋セントラル病院(名古屋市中村区)の循環器内科で2022~23年、心臓のカテーテル治療を受けた40代患者が植物状態に陥り、50代患者が出血性ショックで死亡する事故が起きていたことが、複数の関係者への取材や関連文書で分かった。JR東海は「診療内容は当事者以外に回答できない」としている。

 同病院では22年6月、心筋梗塞(こうそく)の治療を受けた40代男性が、血管の状態を調べる超音波検査中、致死性不整脈を起こして心肺機能が停止。低酸素脳症で遷延性意識障害(植物状態)となった。別の施設に移った現在も回復していない。

 担当医が生理食塩水と麻酔薬を取り違え、冠動脈に誤って麻酔薬を投与した可能性が高いという。院内調査に対し、担当医は覚えていないとしたが、麻酔薬の入ったシリンジ(注射器)がカラの状態になっていたという。

 病院は家族に当初、治療に伴う合併症として説明したが、約1カ月後、「シリンジの取り違えをした可能性は完全には否定できない」と伝えた。

 23年10月には別の医師が、心房細動と診断された50代女性へのカテーテルアブレーションの治療中、関連器具を挿入した右足の付け根2カ所で動脈性出血を確認。圧迫止血をし、挿入部を左足側に移して治療を終えた。その後、採血で顕著な臓器障害がみられたが、病院は圧迫止血などを続け、患者は治療から約2日半後、出血性ショックが原因の多臓器不全で死亡した。