大谷翔平、史上最速の「40-40」達成で見えてきた史上初「DH専任でのMVP」

AI要約

米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手が40本塁打、40盗塁を達成し、史上6人目となった。

大谷選手は50-50やDH専任MVP獲得といった記録の可能性も示唆されている。

快挙達成の瞬間や記録達成後のコメントを通じて、大谷選手の謙虚な姿勢が示された。

 (田中 充:尚美学園大学スポーツマネジメント学部准教授)

 米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手が23日(日本時間24日)、本拠地で行われたレイズ戦に「1番・DH(指名打者)」で先発出場し、メジャー史上6人目となる1シーズンでの「40本塁打、40盗塁(40-40)」を達成した。

 出場126試合目での到達は、2006年にナショナルズのアルフォンソ・ソリアーノ選手がマークした147試合での最速記録を大幅に更新した。

■ 史上最速の40-40

 「漫画を超えるプロ野球選手」と評されてきたスーパースターはこれで、本塁打が年間50本、盗塁も同50個のペースとなり、史上初となる「50-50」、さらには史上初となるDH専任でのMVP獲得というメジャー史を塗り替える快挙達成の可能性も視界に入ってきた。

 本塁打、盗塁ともに王手をかけて迎えたこの日、まずは4回に盗塁で節目に到達した。内野安打で出塁すると、シーズン40個目の盗塁となる二盗を鮮やかにマーク。

 そして、歴史的な瞬間が訪れる。同点の9回2死満塁で迎えた第5打席に待望の一発が飛びだした。

 レイズの左腕が投じた初球のスライダーを捉えると、打球は右中間へ。今季40本目のホームランはサヨナラ満塁打という劇的なアーチで大記録を打ち立てた。「40-40」を同日に達成したのは史上初、サヨナラ本塁打は日米を通じて自身初と、まさに記録ずくめの一日になった。

■ 予期せぬ祝福

 記録達成の瞬間、ドジャースタジアムのファンは総立ちで歓喜に沸いた。直後のグラウンドインタビューに応じていた大谷選手は、背後からチームメートに大量の水をかけられる手荒い祝福を受けた。

 「それ(記録)が目的にならないように、勝つための手段として、やりたいなと思っている。勝てたのが何よりもうれしかった」

 大谷選手は快挙達成にも、チームの勝利を優先したコメントが印象的だった。

 フリーエージェント(FA)で当時のレートで10年総額1000億円超というプロスポーツ史上最高額で、今季からドジャースのユニフォームに袖を通した。