「若いあなたへ…」“新しい戦前”の今伝えたいこと、戦争の悲劇を“言葉の力”で語り継ぐ【報道特集】

AI要約

終戦特集「戦争と文学」において、澤地久枝さんと保阪正康さんが戦争に関する重要なメッセージを伝えている。

戦争の悲惨さを伝える「言葉の力」に注目が集まり、世界中でその影響が広がっている。

澤地久枝さんは戦中から戦後までの経験を通して、作品を通じて戦争の記憶を伝え続けている。

「若いあなたへ…」“新しい戦前”の今伝えたいこと、戦争の悲劇を“言葉の力”で語り継ぐ【報道特集】

終戦特集「戦争と文学」です。カメラの前で初めて、親族の自決を明かした澤地久枝さんと、4000人以上の元兵士らから「聞き書き」をしてきた保阪正康さん。2人の作家が「新しい戦前」にしないために伝えたいこととは。

■戦争の悲惨さを語り継ぐ“言葉の力”

戦争の悲惨さを伝える「言葉の力」が改めて注目されている。世界各地で反響を呼んでいるのが、パレスチナの詩人たちが読んだ詩だ。

日本でも、詩を特集した雑誌が異例の重版となった。6月には、東京でその詩の朗読会が開かれた。

「おなまえ かいて」

詩:ゼイナ・アッザーム

訳:原口昇平

朗読:斉藤とも子

あしに おなまえかいて、ママ

くろいゆせいの マーカーペンで

ぬれても にじまず

ねつでも とけない

インクでね

あしに おなまえかいて、ママ

ふといせんで はっきりね

ママおとくいの はなもじにして

そしたら ねるまえ

ママのじをみて おちつけるでしょ

あしに おなまえかいて、ママ

きょうだいたちの あしにもね

そしたらみんな いっしょでしょ

そしたらみんな あたしたち

ママのこだって わかってもらえる

あしに おなまえかいて、ママ

ママの あしにも

ママのとパパの おなまえかいて

そしたら みんな あたしたち

かぞくだったって おもいだしてもらえる

あしに おなまえかいて、ママ

すうじは ぜったい かかないで

うまれたひや じゅうしょなんて いい

あたしは ばんごうに なりたくない

あたし かずじゃない

おなまえが あるの

あしに おなまえかいて、ママ

ばくだんが うちに おちてきて

たてものが くずれて

からだじゅう ほねがくだけても

あたしたちのこと

あしが しょうげんしてくれる

にげばなんて どこにもなかったって

「言葉の力」を使って戦争の悲惨さを伝える作家がいる。

戦中、そして戦後を書き続けてきた、澤地久枝さん。9月で94歳になるが、今も万年筆を手に原稿用紙に向かっている。

澤地さんは東京で生まれ、4歳のときに家族で満州に渡った。