「外に出ることが怖くなった」被害女児が法廷で証言、沖縄米兵事件

AI要約

16歳未満の少女に対する不同意性交とわいせつ目的誘拐の罪に問われた米空軍兵長が、被害少女の証言や心身への影響について明らかにされた。

少女は被告に車で連れ去られた際の恐怖心や被害経験について証言し、事件後の影響について述べた。

事件の公表されていなかった経緯や通報体制の問題により、県警や政府の対応が問題視され、通報体制が見直されることとなった。

「外に出ることが怖くなった」被害女児が法廷で証言、沖縄米兵事件

 16歳未満の少女に対する不同意性交とわいせつ目的誘拐の罪に問われた米空軍嘉手納基地(沖縄県)所属の兵長ブレノン・ワシントン被告(25)の第2回公判が23日、那覇地裁(佐藤哲郎裁判長)であり、被害少女が事件当時の様子を証言した。被告に車で連れ去られた状況について「断ると何かされるんじゃないかという恐怖心があった」と述べた。

 少女は、被告や傍聴席から見えないようについたてで囲われた状態で証言台に立った。

 少女によると、事件5カ月前の昨年7月にも、自宅近くで外国人の男性から声をかけられ体を触られた経験があったという。この男性について検察側から「(被告と)一緒だと思いましたか」と聞かれると、「はい」と答えた。

 事件後の心身への影響については、「被害に遭って夜も眠れなくなり、外に出ることが怖くなった」とし、睡眠薬の服用を始めたことや腕や足に自傷行為をするようになったと述べた。被告に対しては「自分が犯してしまった罪の重大さをわかってほしい」と訴えた。実年齢はジェスチャーも交えて「英語でも伝えた」と語った。

 被告の弁護側は7月の初公判で、少女に年齢を確認して18歳と認識していたとし、性的暴行はしていないと否認している。

 事件をめぐっては、県警も地検も「被害者のプライバシー保護」を理由に公表せず、政府も米側に綱紀粛正を申し入れたが、日米合意に基づく通報手続きをとらず、県に伝えていなかったことが問題となり、県側の強い抗議を受けて通報体制が見直された。(棚橋咲月)