〈定年4.0時代到来〉中高年が知るべき労働市場の4つの変化…「人材不足の分野の仕事しか高齢者には選択肢がない」現状に抗う術はあるのか?

AI要約

中高年を取り巻く労働環境が厳しさを増し、将来の選択肢を増やすためには、どのような変化が必要か模索されている。

経済コラムニスト大江英樹氏が提唱する「定年3.0」の概念を基に、定年前後の新たな働き方に対応する必要性が示されている。

その中で、「定年4.0」を自ら創造してリスキリングを行い、現在の雇用に頼らない自立した人生とキャリアを構築することが求められている。

〈定年4.0時代到来〉中高年が知るべき労働市場の4つの変化…「人材不足の分野の仕事しか高齢者には選択肢がない」現状に抗う術はあるのか?

AIによる自動化、デジタル人材不足、70歳までの継続雇用など、中高年をとりまく労働環境の変化が厳しさを増している。日本の平均寿命が延びて「人生100年時代」と呼ばれる現在、まだまだ働ける中高年の将来の選択肢を増やすために、何をどう変えていけばよいのか。

『中高年リスキリング これからも必要とされる働き方を手にいれる』(朝日新書)より、一部抜粋・再構成してお届けする。

中高年の方々はこれから、さまざまな外部環境の変化と向き合っていく必要が出てきます。これはある種、向かい風というか、強制的かつ不可避な大きな流れとして私たちを待ち受けている大局です。

こうした環境下で、残りの人生を自分の思い通りに、やりたいことを楽しくやる、やりたい仕事をやるためにはどうしたらよいのでしょうか。

経済コラムニストとして活躍されていた大江英樹さん(2024年1月ご逝去)の2018年の著書『定年3.0 50代から考えたい「その後の50年」のスマートな生き方・稼ぎ方』(日経BP)は、ご自身の定年の経験から人生100年時代を安心して楽しく暮らすためのヒントが満載です。その中で、定年3.0に至る過程が、

•定年1.0:生活の不安なくのんびりと暮らせた時代

•定年2.0:「老後のお金」に関する常識が大きく変化した時代のシニア像

•定年3.0:「お金」「健康」「孤独」の3つの問題をそれぞれが解決していかなければならなくなった

と分類されています。

そして、この定年3.0の考え方をベースにしつつも、まだ定年前の私たち現役世代が今後向き合わなくてはいけないのが、定年後も積極的に働くことを前提にしていかざるを得ない、という現実です。

定年後も働く必要性については、追って詳しく見ていきますが、そうした変化を考慮すると、私たちが描くべき定年の姿とはどのようなものになるのでしょうか。

私は、その姿を「定年4.0」として、次のように定義しました。

•定年4.0:リスキリングで現在の雇用に頼らない人生とキャリアを自ら創造する