なぜ若い女性は地方を去るのか、それは「女性の問題」なのか?「仕事がないから」だけではない彼女たちの本音

AI要約

若年女性が地方から首都圏に流出する現象について、その背景や影響について考察。

山本蓮さんが立ち上げた「地方女子プロジェクト」は、地方出身・在住の女性の声を取り上げている。

若い女性たちの本音を可視化する取り組みが注目を集め、地方の女性が直面する課題に光を当てている。

なぜ若い女性は地方を去るのか、それは「女性の問題」なのか?「仕事がないから」だけではない彼女たちの本音

<日本では約8割の地域から若年女性が首都圏に流出し、人口減少・地方衰退の一因であると言われています。でも、それって私たちが問題なんだっけ?>

地方から若い女性が去っていくのは、雇用がないことだけが原因ではない。男性よりも女性のほうが「地方で生きる」ことに息苦しさを感じている背景には、もっと根深く複合的な要因があるはずだ。

山梨県在住の24歳女性である山本蓮さんが立ち上げた「地方女子プロジェクト」は、その名の通り地方出身・在住の女性のリアルな声を集めて動画コンテンツで紹介する試みだ。

これまで顧みてこられなかった地方で生きる女性の本音を可視化した取り組みが話題を呼び、6月には「クローズアップ現代」でも取り上げられた。

地方から女性が出て行き、子どもを産まなくなったのは、果たして「女性の問題」なのだろうか。

自身も「地方女子」の当事者である山本蓮さんに話を聞いた。【取材・文:阿部花恵 編集:毛谷村真木/ハフポスト日本版】

――まずは「地方女子プロジェクト」とは何か教えてください。

「地方女子プロジェクト」は、さまざまな地方出身・在住の若年女性へのインタビュー取材を動画コンテンツで紹介するプロジェクトです。

地方に住んでいる、もしくは今は地方を出て暮らしている15~39歳の女性に、進学や就職の選択、地元へのイメージ、次世代に引き継ぎたくない慣習などについてインタビューし、その動画をSNSで配信します。取材から動画編集、配信まで、基本的にはすべて私一人で行っています。

目標は100人の「地方女子」の声を集めて、若い女性が地方をどう感じているかを可視化することです。

ーー若い女性に対象を絞ったのはなぜでしょう。

地元を離れて都市部に流出する若者の割合は年々増えていますが、どの自治体も男性よりも女性の人口流出率が高い。出産適齢期とされる20・30代女性の人口流出は、その地域の婚姻率・出生率にも大きく影響します。

国も自治体もそのことをわかっているので、いろいろな施策を行っていますよね。でも実際に「どうすれば若年女性の流出を食い止められるのか」と議論しているのは、ほとんどが男性(議員)です。当事者であるはずの若い女性たちが本当は何を考えているのかが、まったく見えてこなかった。

それならば、女性たち一人ひとりの率直な声を聞き、本音を可視化させてみたら? 数字では測れないものが見えてくるかもしれない。

私も地方出身・在住の24歳女性ですから当事者の一人です。高校生のときは地元が大嫌いで早く出ていきたいと思っていましたが、県内の大学に進学して一人暮らしをして、一度距離を置いたら「自然が豊かで落ち着けるし、いいところもある場所だな」と思えるようになりました。

そういう心境の変化も、「地方女子プロジェクト」の立ち上げに影響している気がします。