総裁選なのに「麻生vs.菅」の“代理戦争”? キングメーカーの座をかけた2人の意中の候補者は

AI要約

自民党総裁選において、岸田首相の不出馬で注目を集めている「小石河連合」(小泉進次郎、石破茂、河野太郎)の候補動向が注目されている。

今回の総裁選では、各候補が個別の協力態勢を築く必要性が見られず、それぞれ個々の戦略を模索している様子が伺える。

ある閣僚経験者からは、これまでの因習を打破し、議員個々の投票意思を尊重することが重要であり、世論調査で上位にランクされる候補者が勝ち抜く可能性が高いと語られている。

総裁選なのに「麻生vs.菅」の“代理戦争”? キングメーカーの座をかけた2人の意中の候補者は

 岸田文雄首相の不出馬で口火を切った自民党総裁選。これまでもさまざまな候補の名前が出ているが、気になるのは「小石河連合」(小泉進次郎、石破茂、河野太郎)だ。前回の総裁選で、岸田、麻生太郎両氏に対抗するため菅義偉前首相の下にまとまり、河野氏を支持したが、今回は協力態勢をつくる必要性が見当たらない。三者三様の動きを見せるのか、水面下での動きがあるのか。

「みんな、出鼻をくじかれた。派閥解消も、『政治とカネ』の問題も、岸田首相は誰にも相談せず、いきなりぶち上げて間髪入れずに断行してきた。自身の進退まで岸田流だ」

 自民党の閣僚経験者がそう話す。

■議員バッジを守るためには人気ものが総裁になること

 総裁選には数多くの名前が挙がっている。世論調査が実施されるたびに「次の首相」と上位にランクされるのが「小石河連合」の3氏だ。そこに女性候補として、野田聖子、高市早苗、上川陽子の各氏。さらに、茂木敏充、加藤勝信、小林鷹之各氏の名前が出ている。

「歴史をみれば国民的にまったく人気がない人が、派閥の力でいきなり総裁というときもあったが、今回は岸田首相が派閥解消を打ち出し、多くの議員が自らの考えで一票を投じることができる初めての総裁選だ。世論調査で上位の人が勝ち抜くのではないか。衆参選挙もあるので、人気のある人が総裁になることが議員バッジを守るためには一番大事です」

 と話すのは、自民党の閣僚経験者らの秘書経験がある選挙プランナーの藤川晋之助氏だ。今夏の東京都知事選では石丸伸二氏の選挙参謀を務め、165万票を取ってあっと言わせた。

「これまで石破氏、小泉氏、河野氏の小石河は共同歩調だった。しかし、今回は3人とも出馬する可能性が十分ある」(藤川氏)

 世論調査では、トップを走るのが石破氏だ。一時、岸田首相との「密約」説が永田町では流れていた。

「6月末に岸田首相と石破氏が会談した際に、『私が続投した時には幹事長に』と密約を結んだという噂はずっと流されていました」(前出・閣僚経験者)