自民総裁選で想定される立候補者、関心高まる日銀金融政策への見解

AI要約

岸田文雄首相が9月の自民党総裁選への不出馬を表明し、市場には金融政策の見解への関心が高まっている。

現職閣僚や自民党幹部からの異例の発信を受け、利上げの背景に政治的要因があるとの見方も浮上。市場は政治が金融政策に与える影響を注視。

総裁選に出馬意欲を示す候補者の金融政策見解や発言が円相場に影響を与えており、市場は大きな反応に神経質になっている。

自民総裁選で想定される立候補者、関心高まる日銀金融政策への見解

(ブルームバーグ): 岸田文雄首相が9月の自民党総裁選への不出馬を表明したのを受け、市場では想定される立候補者の金融政策の見解に関心が高まっている。

日本銀行が追加利上げを決めた7月の金融政策決定会合前、現職閣僚と自民党幹部から金融政策に関して異例の発信があったことから、市場では利上げの背景に政治的要因があるとの見方も浮上した。政治が金融政策パスに影響を与えようとしているのかどうかを市場は注視している。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主席研究員は、「今は本当に金融政策を動かすタイミングに来ている。マーケットが神経質に成り行きを注目しているという、 まさにそういう状況」と説明。政治家は、軽々しく発言すると「それこそマーケットが大きく反応するということを学んでいかなければならない」と述べた。

総裁選に河野デジタル相や斎藤経産相が意欲、出馬「気兼ねなく」と首相

総裁選出馬に意欲を示している河野太郎デジタル相は先月17日、円安是正を目的とする政策金利の引き上げを日銀に求め、茂木敏充党幹事長は同23日、金融政策を正常化させる方向性を日銀は明確にすべきだとの考えを示した。いずれの発言も円相場がその後上昇した一因と見られている。河野氏の発言に関しては、鈴木俊一財務相が、市場に与える不測の影響を考えて発言は慎重にするよう苦言を呈した。

推薦人の確保を条件に出馬に前向きな石破茂元防衛相は先週、ロイター通信とのインタビューで、徐々に金利のある世界を実現することが物価上昇の抑制や構造改革に資すると、日銀の金融政策運営を評価した。

高市早苗経済安全保障担当相は金融政策に明確なビジョンを持つ、有力候補とみられる一人だ。自身のウェブサイトに掲載しているマニフェストでは、金融緩和による景気の下支えを主張している。

その他に想定される立候補者については、金融政策スタンスを判断するのは難しい。上川陽子外相と小泉進次郎元環境相にはほとんど手がかりがない。小泉氏の父で元首相の小泉純一郎氏は金融緩和を支持したが、必ずしも同じ考えとは限らない。