731部隊関連など戦中戦後の資料を収集し公開…戦争の記憶と平和を語りつぐ男性の思い

AI要約

佐藤公男さんは、石川県加賀市で戦争と平和に関する活動を行っており、紙芝居を披露するなど次世代に戦争の悲惨さを伝えようとしている。

佐藤さんは戦前戦後の資料や書物を公開する「平和工房・江沼の郷」を運営し、さまざまな貴重な資料を展示している。

毎年展示会を行う佐藤さんは、戦争を風化させず、戦争体験を次の世代に伝えることの大切さを訴え続けている。

731部隊関連など戦中戦後の資料を収集し公開…戦争の記憶と平和を語りつぐ男性の思い

様々な資料や活動を通して戦争や平和に関心を持ってもらおうと奮闘する加賀市の男性がいる。戦後79年、戦争の記憶が薄れていく中、戦争の悲惨さをいかに次の世代につないでいくか。大きな課題だ。

紙芝居を披露する佐藤公男さん:

もう我慢できない、たまらない。ゾウ係のおじさんはエサのある小屋に飛び込みました。エサを足元にぶちまけました。さあさあさあ、食べろ食べろ。お腹いっぱい食べろ!

子供たちを前に紙芝居を披露する佐藤公男さん74歳。14年前から石川県加賀市の自宅近くで「平和工房・江沼の郷」を運営。”戦争”と”平和”をテーマに石川県に関係する書物を中心に戦前戦後の資料、約3000点を公開している。

中には、関東大震災の後に上海事件の犯人ということで捕まって金沢で処刑されたユンボンギルに関するものなど貴重なものや、731部隊の関連資料なども…。

資料以外には、芝居の台本や九谷焼、人形なども…。「それぞれ興味あるジャンル・分野って違う。ここに来た人が選択できるような場所と資料は提供したい」佐藤さんはそう考えているからだ。

出版関係の仕事をしていた事から資料を集めるようになった佐藤さん。きっかけは20代の頃、

多くの被爆患者を診察してきた広島の福島生協病院を訪問したこと。そして、病気のため戦争に行けなかった父への思い。佐藤さんは「仮病じゃないか?と言われたことが父は1番つらかったみたいですね。本人からは戦争体験を全く聞いていないです。母から父はこんな思いだったんだよと聞いて、直接戦争経験が無くとも語り継がないといかんなと」と話していた。

佐藤さんは毎年、戦争と平和に関する展示も行っている。26年前の展示会で佐藤さんは「私たちは決して、戦争を風化させない。後々伝えていきたいという思いだ」と話す。

今年の展示会で佐藤さんは「福井空襲」のコーナーを設けた。太平洋戦争末期に福井市を襲った空襲で、1576人が命を落とした。佐藤さんは、「福井空襲と言うと地域が違うと思いがちですが、加賀市大聖寺の人たちが、撃しましたよって方がけっこういる。大聖寺から福井方面見たら空が真っ赤になっていたと」と話していた。