被害総額5億円 記録的大雨で“壊滅的被害”受けた羽根沢温泉「紅葉館」 大量の土砂で再開のめど立たず【山形発】

AI要約

山形・鮭川村の温泉街では、記録的な大雨で被害が大きく、復旧作業が続いている。

ホテル紅葉館では、裏山の崩落により1階が壊滅状態になり、営業再開のめどが立っていない。

被災したホテルでは、地元の友人や同級生が力を合わせて片付けに取り組んでいるが、まだ裏山には大量の土砂が残っている。

被害総額5億円 記録的大雨で“壊滅的被害”受けた羽根沢温泉「紅葉館」 大量の土砂で再開のめど立たず【山形発】

記録的な大雨で大きな被害があった山形・鮭川村の温泉街では、お盆の8月13日も復旧作業が続いている。被災したホテルの裏にはまだ大量の土砂が残ったままで、営業再開のめどは立っていない。

鮭川村の羽根沢温泉にある「ホテル紅葉館」。7月の記録的な大雨でホテルの裏山が崩れ、1階に土砂が流れ込んだ。

1階は、ほぼ壊滅状態。厨房の冷蔵庫やガス・流し台のほか、水や温泉をくみ上げるポンプも使えなくなった。

片付けは、7月の大雨の直後から、ホテルを経営する元木専務の友人たちが手伝ってくれていて、13日もお盆休みを利用して、中学時代の同級生がホテルの正面や道路の泥をかき出してくれた。

埼玉から帰省した中学の同級生・荒木幸憲さん:

暑いですね。ヘドロみたいにこびりついて流れない、大変

過去にはホテルに遊びにきて泊まったり同級会をしていたという、村在住の中学の同級生・津藤佳一さん。「再開したらすぐに飲みにきて力になりたい」と、熱い思いを語った。

元木専務は復旧は“1人だと無理”と思っていたが、先輩や同級生・後輩が毎日手伝いにきてくれたおかげで、「前を向いて頑張ろう」という気持ちになれたという。

大雨からまもなく3週間、一歩一歩片付けを進めているが、ホテルの裏にはまだ大量の土砂と流木が残ったまま。

裏山には、土砂が流れ込むことを防ぐための県が管理する「治山ダム」があるが、今回の大雨では大量の土砂と流木がダムの高さを乗り越えて流れ込んだ。

裏山に残っている大量の土砂は少しの雨でもまた流れ出すおそれがあり、取り除かれるまでは営業再開はできない。

元木専務は「危険な箇所を何とか対応したいが、そこだけは自助では何ともできない。早く国や県に動いてほしい。土砂の方を対応しない限りはお客さんの安全が担保できないので、そちらが決まらない限りは再建のめどが立たない」と先行きを懸念している。

裏山にたまった土砂について、県は今後、林野庁の補助事業を使ってかき出すなど復旧作業を進める方針。

例年、お盆は満室でにぎわうはずの紅葉館。今回の被害総額は5億円に上るとみられている。

(さくらんぼテレビ)