スイスで学んだ「楽しむ」 連続メダルはならず 自転車・梶原選手〔五輪〕

AI要約

梶原悠未選手が東京五輪で自転車女子オムニアムで銀メダルを獲得し、日本女子初のメダリストとなった。

梶原選手は金メダルには届かなかったが、持久力を強化するためスイス留学を決断した。

自転車に打ち込む中で競技としてではなく純粋に楽しむ姿勢を身につけ、精神的にも強くなった。

スイスで学んだ「楽しむ」 連続メダルはならず 自転車・梶原選手〔五輪〕

 自転車女子オムニアムの梶原悠未選手(27)=TEAM Yumi=は東京五輪で銀メダルを獲得し、自転車で日本女子初のメダリストとなった。

 2大会連続で表彰台を目指したが、及ばなかった。

 埼玉県出身。自転車を始めたのは高校に入ってからだ。二人三脚で歩んできた母有里さんによると、梶原選手はスピードアップに重点を置いた練習をしてきたが、東京五輪で目標とした金メダルに一歩届かず、課題と感じていた持久力を強化するため、半年間のスイス留学を決断した。

 スイスのロードチームに入り、各国から集まった選手とトレーニングを積んだ梶原選手。練習の合間、世界最高峰の自転車ロードレース、ツール・ド・フランスをインターネットで観戦し、応援するメンバーらの姿に気付いたことがあった。楽しんでいいんだ―

 あくまで「競技」として自転車に打ち込んでいた梶原選手。自転車そのものを純粋に楽しむメンバーに囲まれ、練習ルートに羊が立ち入るような「スイスならでは」の環境で走っているうちに肩の力が抜けてきた。

 そんな梶原選手は、自転車を始める前、競泳の全国大会に出場したことがある。有里さんによると、小4で初めて出場した際は、緊張のあまりスタートに失敗して失格になったという。

 「その時に比べたらスタートの緊張感がなくなり、精神的に強くなった」。食事だけでなく、バイクで並走して練習に付き合うなど献身的なサポートを続けてきた有里さんは、ほほ笑みを浮かべながら語った。