【佐藤優】「配属ガチャ」という言葉の決定的な誤解。それでも新卒社員が行きたい部署に行くには…?【期間限定無料公開】

AI要約

新社会人のエヌヌさんが希望する部署に配属されるか不安な気持ちを抱えている。佐藤優氏は、社会人としてのリアリティを認識する必要があるとアドバイスする。

佐藤氏は、組織において選択権がないことを強調し、会社での基本的な目的が営業であることを説明する。営業が重要であり、エヌヌさんの考え方に一部誤解があると指摘する。

会社のビジネスを支える基本が営業であり、すべての仕事の基礎がこの部署にあることを示唆している。

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シマオ:皆さん、こんにちは!「佐藤優のお悩み哲学相談」のお時間がやってまいりました。読者の方にこちらの応募フォームからお寄せいただいたお悩みについて、佐藤優さんに答えていただきます。さっそくお便りを読んでいきましょう。

佐藤優さん、こんにちは。高校時代の恩師から薦められて以来、佐藤さんのファンです。

私は今年4月に新卒として広告会社に入社したエヌヌと申します。現在は研修中なのですが、7月1日には何らかの部署に配属される予定です。

私が今心配しているのは、希望の部署に配属されるかどうかということです。具体的には、私は営業ではなく、クリエーティブや戦略を考える部署に興味があります。ただ、大学時代は法学部で特に芸術系ではなく、かつ高校時代からボート部だったため、体育会系だからと営業に配属される可能性が高いのではないかと思っています。

個人的には、勉強やスポーツ含め、やり抜くことは得意だと思っているのですが、人付き合いはあまり得意ではありません(体質的に酒があまり飲めないというのもあります)。休日は本やパソコンに向かっていると過ぎていきます。

自分の希望する部署に配属されるために、何かできるアプローチはあるのでしょうか? また、もし営業になってしまった後に、異動をしやすくする方法というのはあるものでしょうか?

お忙しい中恐れ入りますが、ご回答いただけると幸いです。よろしくお願いします。

(エヌヌ、20代前半、会社員、男性)

シマオ:エヌヌさん、お便りありがとうございます。僕も新卒の時には配属発表でかなりドキドキしたので、よく分かります。最近の言葉で言うところの「配属ガチャ」の問題でもありますね。

佐藤さん:エヌヌさんに限らずですが、新社会人の皆さんはそもそも大学と会社の違いは何かをしっかり認識しておく必要があると思います。

シマオ:と、言いますと?

佐藤さん:大学では最初に講義を選択し、自分で教授を選べたでしょう。でも、社会に出て会社などに勤めたら、部下が上司を選択できますか?

シマオ:うーん、できませんね……。

佐藤さん:結論から言えば、社会人になったら基本的に組織の下の人間ほど、人事に関する選択権がないんです。いくら自分が行きたい部署があるから、あるいは適性があると思っているからと言って、最初から自分の希望通りの部署に配属される保証はありません。

シマオ:悲しいかな、新社会人というのはまさに組織の末端ですからね……。

佐藤さん:厳しいことを言うようですが、「思い通りになる」「希望が叶う」という前提で考えている時点で、残念ながらエヌヌさんはまだ学生気分が完全には抜けていないということになると思います。

シマオ:となると、そもそも「配属ガチャ」という言葉自体がおかしいということでしょうか?

佐藤さん:私はそう思います。それと、営業に回されるのを嫌がっているようですが、ちょっとした思い違いがある気がします。そもそも、会社というのは何を目的にしていますか?

シマオ:売り上げや利益を上げること、ですか?

佐藤さん:その通りです。だとしたら会社で一番重要な部署はどこかと言えば、営業でしょう。

なぜなら商品やサービスを買ってくれるのは消費者やクライアント、つまり顧客です。その顧客のニーズや自社のビジネスの仕組みを一番知ることができるのが営業だからです。すべての仕事の基本が営業にあると言っても過言ではありません。