納得いくまで、練習の虫 「闘魂」胸に挑んだ五輪 卓球・戸上選手〔五輪〕

AI要約

奮闘した戸上隼輔選手(22)は卓球男子団体で3位決定戦で敗れた。熱心に練習を重ね、プロレスファンとしても知られる。

卓球一家であり、幼少期から猛練習を続けてきた戸上選手。橋津文彦監督の指導で攻撃型のプレースタイルを確立した。

普段は超マイペースな性格を持つ戸上選手だが、練習に対する姿勢は真剣であり、まだまだ成長が見込まれる。

納得いくまで、練習の虫 「闘魂」胸に挑んだ五輪 卓球・戸上選手〔五輪〕

 3位決定戦で惜しくも敗れた卓球男子団体。

 奮闘した戸上隼輔選手(22)=井村屋グループ=は中学、高校時代、納得のいくまで練習をやり通し、先生もてこずらせた。そんな練習の虫は、根っからのプロレスファン。人気レスラー、故・アントニオ猪木氏のキャッチフレーズ「闘魂」を胸に初の五輪に挑んだ。

 両親は実業団でプレーし、兄2人も卓球に励んだ卓球一家。3歳でラケットを握り、小学1年から自宅近くの松生卓球道場(津市)に通った。

 学校が終わると道場に直行し、夜遅くまで練習する日々。恩師の松生幸一さん(78)によると、手首の柔らかさは天性のもので、「柔よく剛を制す。頭上の球も打ち返し、対応能力が優れていた」と振り返る。

 全国大会で頭角を現すと、山口県の強豪、野田学園中・高校の橋津文彦監督(50)から熱心にスカウトされ、中学2年の時に編入学。橋津監督の指導の下、今につながる攻撃型のプレーを徹底的に磨いた。

 練習は納得がいくまでやめず、自主的な居残りも日常茶飯事だった。橋津監督は「時間を気にしない。練習した手応えがあるかないか、が基準。終わるまで、こちらが待たないといけなかった」と笑う。戸上選手の普段の性格は「超マイペース」という。「忘れ物も多いし、ルーズ。卓球への入り込み方だけはすごい」と振り返る。

 そんな戸上選手の趣味はプロレスだ。昨年、全日本選手権を制した際には、勝利者インタビューで猪木氏の代名詞とも言える「1、2、3、ダー」を披露した。

 「まだまだ伸び代がある」と橋津さん。発展途上の逸材にとって、パリは通過点だ。