「吸い込まれるように深いところに…」川に潜む“3つの危険”と海水浴場でも発生する「離岸流」の対処法を専門家に聞く【ひるおび】
2023年に発生した水難事故は743人に上る
海での事故が最も多く、中学生以下では川での事故が最も多い
川の危険性や対処法についても解説
各地で相次ぐ水難事故。
海や川に入る前に知っておきたい危険ポイントや対処法を、水難学会理事の斎藤秀俊氏に聞きました。
■発生最多は「海」 中学生以下は「川」での事故が多発
警察庁発表の資料によると、2023年の水難事故による死者・行方不明者は743人にのぼっています。
発生場所は
海・・・49.5%
河川・・・33.4%
用水路・・・10.1%
と海での事故が多く起きていますが、年代別に見ると中学生以下では河川での事故が59.3%と最も多くなっています。
水難学会理事 斎藤秀俊氏:
子どもの事故が川で多いというのは、住んでいるところから近い水辺で、事故が起こりやすいということなんです。
逆を言うと、近くの川は自由に出入りができる格好の遊び場とも言えるんですね。
■川の危険〔1〕急な深み
斎藤氏によると、川には3つの危険が潜むといいます。
ひとつめは「急な深み」です。
川岸近くは浅くても、水流の影響などから急に深くなっている場所があります。
弁護士 八代英輝:
私達ぐらいの背の高さでもあっという間に深くなるという経験はありますよね。
水難学会理事 斎藤秀俊氏:
歩いたまま川に吸い込まれるようにして深いところに入ってしまう。
よく「川で泳いでいて溺れる」と言われるんですが、「歩いて深みにはまって溺れる」というのが川の事故の現実なんです。
川底が砂利の場合、斜面が崩れて足場が悪くなり踏ん張れずにどんどん溺れてしまうという状況に。
水の屈折で浅く見えていても実際は3割程度深い場所もあるので注意が必要です。
特に危険なのが、「中洲の下流」部分。
中洲で川の流れが分かれて合流する地点は、水流がぶつかって急激に深くなっています。知らずに入ってしまい溺れてしまう事故が多く起きています。
水難学会理事 斎藤秀俊氏:
中洲の両脇を流れている川が合流するということは、そこで水の量が増えることになる。
増えた水を流すためには深くないといけないんですね。
例えばこの合流地点に歩いて入ってしまって、「深い」と思って中州の方に戻ろうとしても流れがあるから戻れない。ますます深いところに流されてしまうということもあります。