「このままでは丸の内・霞が関が水没します」ダブル異常気象《スーパー台風&ゲリラ豪雨》が東京を襲う最悪のシナリオ

AI要約

全国で40度に迫る気温が連日のように観測され続けている。猛烈な暑さとともに発生しているのが激しい雨で、大雨リスクも高まっている。

地表面のアスファルト化や排水能力の不足により、浸水被害が深刻化している。特に都市部では地下街や地下鉄も影響を受けている。

河川の決壊や停電など、さらなる深刻な被害が頻発する可能性があり、十分な対策が求められている。

「このままでは丸の内・霞が関が水没します」ダブル異常気象《スーパー台風&ゲリラ豪雨》が東京を襲う最悪のシナリオ

全国で40度に迫る気温が連日のように観測され続けている。猛烈な暑さとともに発生しているのが激しい雨だ。年々激しさを増す大雨、深刻な被害に発展する恐れもある。

前半記事『専門家が警告、東京都心の浸水被害が《異常事態》と断言できるワケ…連日38度越えの酷暑がもたらすヤバい事情』に引き続き、その最悪なシナリオについて報じる。

7月31日、滝のような雨が首都圏を襲った。東京都では実に6年ぶりとなる「記録的短時間大雨情報」が発表され、1時間に100ミリ以上の猛烈な雨が降ったエリアもあった。

これは局地的に発生した積乱雲によって引き起こされた「ゲリラ豪雨」。

こうした「記録的な大雨」の発生はこれからの季節、各地で起こり得る。発生のカギを握るのは日本列島を連日のように襲う「猛暑」だ。

「暑ければ暑いほど、空気中に含むことができる水分量が増えます。さらに海水温も上昇すると水分が蒸発しやすくなり雨雲になる。暑さによって増えた水分により、雨雲が発達しやすくなります」(気象予報士・河津真人さん、以下「」も)

この雨雲が発達し、大雨を降らせる。猛暑日が続けば、災害クラスの大雨リスクは高まったまま。というのも、都市部では地面がアスファルトで固められている場所が多く、水捌けが悪い。そのため降った雨は低地に向かって滝のように一気に地面を流れる。排水能力を超えた雨は浸水を引き起こす。

いくら対策しても、地下街や地下鉄が浸水する危険がある。

7月31日の豪雨では、JR赤羽駅周辺ではショッピングセンターの地下に雨水が流れ込み、さらに周辺のエリアでは膝の高さまで浸水した場所もあった。1999年には福岡県内で発生した豪雨により濁流が博多駅近くの地下街に流れ込み1人が死亡している。

都市開発で造成を繰り返し、多くの建物が建ち並んだことで土地の高低差がわかりにくくなり、沼地だったり、水捌けの悪さだったり土地の状態について知る人は減った。そのため、思わぬ場所で浸水被害に遭う恐れがあるのだ。

さらに河津さんは「河川から離れた場所に住んでいるからと言って油断は禁物です」と警鐘を鳴らす。

「例えば東京都内の場合、荒川や江戸川などが決壊すると大惨事になります。全体的に海抜が低い江戸川区の大半は堤防が決壊すれば地域の大半が浸水。荒川の場合は幹線道路や地下鉄に流れ込んだ濁流が霞が関や丸の内まで広がる可能性がある。大雨により首都を流れる河川が溢れれば日本の中枢まで水浸しになってしまう可能性があるのです」

そこにさらに追い討ちをかけるのが停電だ。豪雨や暴風が原因で停電すれば、電車や公共交通機関はストップ。店舗も営業できず、企業は業務に支障をきたす。