東京女子医大の理事会、理事長解任を決定 第三者委「適格性に疑問」

AI要約

岩本絹子理事長が同大から解任された経緯について報じられた。

岩本氏の経歴や問題点、第三者委員会の報告書内容が示されている。

警視庁の捜査や不透明な資金流れに関する疑惑が存在することも明らかになった。

東京女子医大の理事会、理事長解任を決定 第三者委「適格性に疑問」

 東京女子医科大学(東京都新宿区)で8日、臨時理事会が開かれた。終了後に報道陣の取材に応じた理事によると、岩本絹子理事長(77)について理事長職からの解任を決めた。同大をめぐっては、岩本氏がトップを務めていた同窓会組織で不透明な資金の流れなどの問題が表面化し、2日に公表された第三者委員会の報告書で「理事長としての適格性に疑問」と批判されていた。

 同大関係者によると、7月31日にあった臨時理事会で第三者委が事前に報告書の内容を説明した際、一部の役員からは理事長の退任や現理事の総辞職が必要だとの声が上がっていたという。

 報告書によると、岩本氏は同大創立者の一族で、1973年に同大医学部を卒業。81年に民間の産婦人科を開設し、長年にわたって開業医として働いてきた。2013年に同大の同窓会組織「至誠会」の代表理事に就任(23年解任)。14年に同大病院の集中治療室で2歳の男児が麻酔薬を大量投与され、後に死亡する事件が発生し、大学再生のために岩本氏が経営担当の副理事長に就任。19年、理事長に就任した。

 同大をめぐっては警視庁が3月、特別背任容疑で理事長室や岩本氏宅など十数カ所を家宅捜索した。至誠会の元職員が元事務長と共謀し、勤務実態がないのに約2千万円の給与を至誠会から受け取った疑いがある。

 第三者委の報告書は、元職員と元事務長は岩本氏と近しい間柄だったと指摘。岩本氏は当時、同大と至誠会の両方で経営の中枢に関わっており、「双方の代表であることを利用して、(中略)過大な報酬を与えた疑義が認められた」とした。