岸田首相、総裁再選へ麻生・森山両氏と連携図る 出馬か断念か、決断に影響を与える重鎮

AI要約

岸田文雄首相は自民党総裁選に再出馬するか否かを中央アジア訪問後に決定する見込みであり、麻生太郎副総裁と森山裕総務会長の支持が重要な要素となる。

麻生氏は岸田派の解散を避け、派閥を維持しており、首相の再選をサポートしている。一方、森山氏は首相との関係を強化すべく積極的に連携を図っている。

首相に対する世論は厳しく、今後の展開が注目される中、麻生氏や森山氏の動向が重要なカギを握っている。

岸田首相、総裁再選へ麻生・森山両氏と連携図る 出馬か断念か、決断に影響を与える重鎮

岸田文雄首相(自民党総裁)は9月の自民総裁選に再選を目指して出馬するか断念するか、中央アジア訪問後の今月半ば以降に決めるとみられる。決断に影響を与えそうなのが麻生太郎副総裁と森山裕総務会長の動向だ。首相は党内の一部から「選挙の顔にならない」と撤退圧力を受ける。麻生、森山両氏の支持も離れれば外堀が埋まりかねず、2人と面会を重ね、連携強化を図っている。

首相は2日午後に約1時間、党本部で麻生氏と会談し、党内情勢について話し合った。その6時間後の夜には、石川県出張から帰京した直後の森山氏を約1時間公邸に招いた。「誰が総裁選に出る意向なのだろうか」と質問するなど、総裁選の情勢も話題になった。ただ、首相自身の進退には言及しなかった。

首相は麻生氏と7月25日にも党本部で約50分間、森山氏とは翌26日に官邸で約30分間、2人きりで会っている。総裁の座を狙う茂木敏充幹事長との関係が冷え込む中、麻生、森山両氏との関係強化が際立つ。

■派閥を残した麻生氏

麻生氏は今や党内唯一の派閥領袖(りょうしゅう)だ。パーティー収入不記載事件を受け、岸田派を皮切りに多くの派閥が解散を表明したが、麻生氏は麻生派を存続させ、同派50数人のうち一定数を動かせる。首相は再選のため、自身の旗振りに反した麻生氏に傾斜している。

岸田政権発足以来の首相の後ろ盾の麻生氏は、防衛費増額や反撃能力の保有を例に「安倍(晋三)内閣ではできなかったが、岸田になったら1年でできた」と手腕を認めてきた。

4~6月、不記載事件の関係議員処分や改正政治資金規正法の法案修正を巡る首相の対応に麻生氏が不満を抱き、溝が生じた。ただ最近は再び首相を評価することがあり、周辺は「首相を担ぐのでは」とみる。

とはいえ、各種世論調査では首相の続投を望まない声が多い。来年改選を迎える参院議員の一人は「首相に引導を渡せるのは麻生さんしかいない」と語る。

■相談相手の森山氏