鹿児島県警の再発防止策 識者、組織に浸透「簡単ではない」

AI要約

鹿児島県警が不祥事を受けて再発防止策をまとめた。元警察官僚は新たな施策の組織への浸透が重要と指摘。

「改革推進研究会」や上司の匿名評価制度などの施策を評価し、組織がいきいきしたものになることを期待。

しかし、施策の浸透は容易ではないため、本部長や県公安委員会の指導が必要との指摘がある。警察庁は適切な実施をフォローアップする方針。

鹿児島県警の再発防止策 識者、組織に浸透「簡単ではない」

 不祥事が相次いだ鹿児島県警がまとめた再発防止策について、元警察官僚の田村正博・京都産業大教授(警察行政法)は、新たな施策を組織に根付かせる重要性を指摘した。

 部下の意見を本部長に直接伝える「改革推進研究会(仮称)」については、「縦の指揮系統を重んじる警察組織では、これまで聞いたことがなく画期的」と評価。上司が部下から匿名で評価を受ける制度も「踏み込んだ対策」とし、「警察組織が常にいきいきしたものになるようなモデルケースになってほしい」と期待した。

 ただ田村氏は、これらの新たな施策に取り組む意識を組織に浸透させるのは「簡単ではないだろう」とみる。実現のためには「本部長や県警幹部はもちろんのこと、県警を指導・監督する立場の県公安委員会が再発防止の取り組みを現場で継続させていく必要がある」と指摘した。

 一方で、警察庁は今後、再発防止策が県警で適切に実施されているか随時フォローアップするという。【山崎征克】