憧れから剣を握った元体操少年 2大会連続でメダル獲得 フェンシング・加納選手〔五輪〕
加納虹輝選手がフェンシング男子エペ個人で金メダルを獲得し、東京五輪では団体でも金メダルを手にした。
加納選手は幼少期からスポーツに親しみ、フェンシングを始めたきっかけは太田雄貴選手に憧れたことだった。
加納選手は意欲的に競技に取り組み、母や周囲のサポートもあり、五輪での成功を収めた。
フェンシング男子エペ個人で金メダルを獲得した加納虹輝選手(26)=JAL=は、東京五輪では団体で金メダルを手にしていた。
2度目の五輪で、念願の個人種目でのメダルを勝ち取った。
愛知県あま市出身。4歳から器械体操を続けた。テレビでウルトラマンを見ているうち、自然に側転ができるようになったという。
そんな体操少年がフェンシングを始めたきっかけは、2008年の北京五輪にあった。「かっこいい」。フルーレ個人で銀メダルを獲得した太田雄貴さん(38)に憧れ、小学6年の夏に剣を握った。
母貴子さん(54)は「器械体操は自分との闘いだったが、フェンシングは対人競技。剣を交えて戦えることに楽しさを覚えた」と話す。
加納選手は中学3年までは名古屋市のフェンシング教室に通った。教室の生徒に同年代はほとんどおらず、周囲の大人たちに教えてもらいながら、太田さんがメダルを取ったフルーレを練習。地元を離れて進学した岩国工業高(山口県)で、以前から「向いている」と言われていたエペに転向した。
高校2年のインターハイで準優勝という好成績を残したが、試合前、周囲に「優勝する」と宣言しており、貴子さんは「この出来事の後、さらにフェンシングに本気になった」と振り返る。
東京五輪には「金メダルを取りに行く」と挑み、宣言通りエペ団体で優勝した加納選手。貴子さんによると、「よく分からないうちにメダルが取れた」と話していたという。