「公開裁判の趣旨に反する」 傍聴動員、検証報告書公表 横浜市教委

AI要約

横浜市教育委員会が教員によるわいせつ事件の公判で職員を組織的に動員した問題について、第三者検証結果報告書を公表。

報告書によると、11回の公判で計414人が動員され、前教育長や学校教育事務所長らの責任が指摘された。

市教委は被害児童生徒のプライバシー保護に関して、連携強化が必要であると報告書で指摘された。

 教員によるわいせつ事件の公判に多数の職員を動員し傍聴させていた問題で、横浜市教育委員会は26日、記者会見を開き、第三者の弁護士らによる検証結果報告書を公表した。

 報告書では、組織的な動員について「憲法違反とまでは言えないが、公開裁判の原則の趣旨に反する」と指摘。意思決定を行った前教育長や学校教育事務所長らに責任があると結論付けた。

 報告書によると、2019年と23~24年に開かれた教員による児童生徒への4件の性加害事件の公判で、計11回、延べ414人が動員された。

 19年の公判では、前教育長が被害者側の保護者やNPO法人から公判傍聴の要望を受け、二次被害を防ぐためとして動員を決定。ほかの3事件では、三つの学校教育事務所の所長が、同年の動員を前例に決めたと認定した。

 報告書では、被害児童生徒のプライバシー保護のあり方について、市教委が「さまざまな関係機関と連携しようとする発想は乏しかった」と指摘。刑事裁判では被害者参加弁護士や児童相談所などの関係機関と連携し、学校で安全に安心して生活できるような環境を整えることに注力すべきだなどとした。