「笑顔は生き続ける」 津久井やまゆり園で追悼式 相模原殺傷8年

AI要約

相模原市の障害者施設で起きた殺人事件から8年が経過し、園内で追悼式が行われた。奥津ゆかりさんが犠牲者を悼み、園の利用者を代表して祈りを捧げた。

追悼式では遺族や園の利用者ら約90人が参列し、園長も事件の悲劇から何かを学び、利用者の幸せを願っていることを強調した。

事件の植松死刑囚について、黒岩祐治知事は差別の考え方を非難し、同時に二度と同様の事件が起こらないように警鐘を鳴らした。

「笑顔は生き続ける」 津久井やまゆり園で追悼式 相模原殺傷8年

 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で利用者19人が殺害された事件は26日、発生から8年となった。園内で追悼式があり、奥津ゆかりさん(55)が園の利用者を代表して「これからも天国から私や津久井やまゆり園のみんなのことを見守ってください」と犠牲者を悼んだ。

 式は神奈川県などが主催し、遺族や園の利用者ら約90人が参列した。永井清光園長は園での生活を経て地域で暮らし始めた利用者がいることを紹介。「園のみんなが望む暮らしを実現できるように応援してください。(犠牲になった)みなさんの笑顔は心の中で生き続けています」と強調した。

 黒岩祐治知事は、事件を起こした植松聖死刑囚(34)の障害者を差別する考え方に触れ「いかに自分勝手で間違ったものであるか。私たちはこのような悲しい事件を二度と繰り返してはなりません」と述べた。

 園の入り口正面には「鎮魂のモニュメント」があり、遺族が同意した犠牲者の名前が刻まれている。朝から多くの人が献花した。

 事件は2016年7月26日未明に発生。元園職員の植松死刑囚が利用者19人を殺害し、職員を含む26人に重軽傷を負わせた。殺人罪などに問われた植松死刑囚は20年3月、横浜地裁で死刑判決を言い渡され、その後、地裁判決が確定した。【宮本麻由、横見知佳】