「ハンドパワーで病気を治す」セミナーは違法 法人らに賠償命令

AI要約

ハンドパワーで病気を治すとうたったセミナーに参加し、不当な支払いを求めた34人がセミナー企画会社に2400万円以上の損害賠償を求めた訴訟が福岡地裁で判決が下された。

34人は医学的裏付けのないセミナーに50万~70万円の受講料を支払い、詐欺的行為として訴えた。

裁判長は被告企業の活動が不当であり、社会的相当性を逸脱していると断じ、支払いを命じた。

「ハンドパワーで病気を治す」セミナーは違法 法人らに賠償命令

 「ハンドパワーで病気を治す」とうたいセミナー受講料などを不当に支払わされたとして、宮崎県や佐賀県などの男女34人がセミナー企画会社「アースハート」(福岡市東区)とその後継とみられる一般社団法人「セントマザー」(同区)らに計約2460万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁は24日、医学的裏付けもなく違法として計約2440万円の支払いを命じた。林史高裁判長は「詐欺的なものと言わざるを得ない」と断じた。

 判決によると、原告34人は2009年以降、「ハンドパワーで病気が治る」などと言われてセミナー受講料として50万~70万円などを支払った。

 林裁判長は「自身や家族の病気などを改善させたいという第三者の切実な思いにつけ込んだ」と指摘。医学的裏付けもなく、真摯(しんし)な治療目的でもなかったなどとして「両法人の活動は不当に高額な金員を取得するためで社会的相当性を逸脱したもので違法」と判断した。【志村一也】