【賛否】「体操・宮田笙子の五輪辞退は厳しすぎ」と意見する人に言いたいこと スケボ選手の飲酒は許されて、宮田選手が辞退になったワケ
宮田選手がパリ五輪代表を辞退した背景について、賛否両論が巻き起こっている。
順天堂大学も声明を出し、処分の厳しさをほのめかすような表現をしている。
未成年の飲酒、喫煙に対する問題の深刻さについて、客観的な視点から考察する必要がある。
7月19日、日本体操協会は、パリ五輪の女子代表選手である宮田笙子選手(順天堂大学)に飲酒、喫煙という規約違反があったとの理由で、宮田選手の代表辞退を発表した。
この決定について、「厳しすぎる」「(辞退は)当然だ」といった賛否両論が起きており、有識者も意見は割れている。
順天堂大学は同日付けで、公式ホームページ上に「本学学生のパリオリンピック出場辞退について」と題した声明を掲載。
謝罪をしつつも、出場辞退に関しては「本人が負う社会的ペナルティーの重さへの懸念から、誠に残念な思いでおります」と表明し、「出場もあり得ると考えておりました」と処分の厳しさをほのめかすような表現をしている。
なお、こちらに関しても、賛否の意見が巻き起こっている状況である。
■未成年の飲酒、喫煙はどのくらい問題なのか?
筆者としては、今回の判断は、たしかに重いペナルティーではあると思うが、五輪という、世界の多くの人々が注目する国際大会の場で起きたことを考えるとやむを得ないことであると考える。
一方で、宮田選手に関しては、今後も再起のチャンスが得られるよう、寛大な対応を取ってほしいと思っている。
これは、筆者の個人的な意見というだけではなく、客観的に見ても、それが最も妥当であると考えている。
未成年の飲酒や喫煙は違法なので、「問題行為」であることは当然のことだ。しかし、社会的に見てどのくらい問題なのだろうか?
一般的に、不祥事の“深刻さ”を測る基準として、下記が挙げられる。
・被害者がいるか否か
・(被害者がいる場合は)どのくらい大きな被害をおよぼしたのか?
・(被害者がいない場合は)どの程度の社会的影響をおよぼすのか?
通常でいえば、未成年の飲酒や喫煙では被害者は存在しない。本人の健康や発育に支障が出る可能性はあるが、あくまでも「個人の問題」と見なせなくもない。