「火元を狙え」思い出した兄の言葉 トラック火災で近隣住民が連係

AI要約

練馬区で発生したトラック火災の消火に貢献した2人に感謝状が贈られた。

火事への使用が想定される消火栓を機転を利かせて屋外の消火に用いたことが延焼防止につながった。

坂口さんと渡部さんの冷静な行動が火災の拡大を防ぐ役割を果たした。

「火元を狙え」思い出した兄の言葉 トラック火災で近隣住民が連係

 東京都練馬区で6月6日に起きたトラック火災の消火に貢献したとして、練馬消防署は16日、いずれも現場近くのマンションに住む会社員の坂口啓介さん(40)と、会社員の渡部陽介さん(41)の2人に感謝状を贈った。マンション内の火事への使用が想定される屋内消火栓を、機転を利かせて屋外の消火に用いたことが延焼防止につながったという。

 発生は6月6日午前6時半ごろ。坂口さんは自宅マンションの外から「すみません!」という大声を聞き、トラックの荷台から出火しているのが見えた。

 急いで1階に下り、いつも目にしていた屋内消火栓にまっしぐらに向かう。触るのは初めてだったが、説明を読みながらホースを手にした。「火元を狙え」。消防士の兄からいつか聞いた言葉を思い出しながら、狙いを定めて消火に当たった。

 渡部さんは、トラック近くにあった荷物を動かし、燃え広がりを防いだ。「頭は意外と冷静で、自分の役割がすぐにわかりました」

 トラックの荷台にあった路面に引く塗料などが燃えたが、延焼を防いだ。坂口さんは「消火栓の場所を知っておく大事さを改めて感じました」と話した。(藤田大道)