空襲に耐え、いまも小学校見守るクスノキ 「守りたい」児童らがCF

AI要約

愛知教育大付属岡崎小学校の6年生が、学校のシンボルツリーであるクスノキの復活プロジェクトに取り組んでいる。

クスノキは約150年の樹齢を持ち、空襲も免れてきた歴史ある木で、児童の成長を見守ってきたが弱ってきている。

児童たちはクラウドファンディングで治療費を募り、校内での募金活動も行っている。

空襲に耐え、いまも小学校見守るクスノキ 「守りたい」児童らがCF

 弱っている学校のクスノキを元気にしようと、愛知教育大付属岡崎小学校(愛知県岡崎市)の6年生が、復活プロジェクトに取り組んでいる。樹齢は約150年で、開校直後から児童の成長を見守る「シンボルツリー」で空襲も免れた。児童たちは治療費を工面するため、今月31日までクラウドファンディング(CF)で資金を募っている。

 このクスノキは、1901年に同小が開校した直後、運動場の南側に植えられ、児童らに親しまれてきた。太平洋戦争末期の空襲で校舎は焼けたが、運動場のクスノキは無事だったという。

 高さは12・4メートル、枝張りは17・7メートルある。2013年に岡崎市のふるさと景観資産「ふるさとの名木」にも登録された。樹木医が定期的に状態を観察し、徐々に弱ってきていることがわかった。

 昨年、5年生が「総合的な学習の時間」の授業でクスノキの歴史などを調べた。昔の写真と比べて葉の色が薄くなっていたり、葉のない枝があったりした。

 さらに全校児童にアンケートすると、「クスノキが枯れないでほしい」「何とかしてクスノキを守りたい」などの意見が多かったという。

 卒業生にクスノキの思い出を聞くと「戦争の空襲にも耐えた思い出の詰まった木。学校の木として後輩に受け継いでほしい」と話す人もいたという。

■樹木医の診断は

 児童たちは「クスノキのためにできることはないか」と考え、復活プロジェクトを立ち上げた。

 樹木医の診断によると、周りの土が硬くなっていて、水や栄養がうまく届いていないことが判明。

 自分たちで周りの土を軟らかくしようとスコップなどで土を掘ったが、地面が固くて大変だった。しかも大事な根を傷つけ、逆に弱らせてしまう恐れがあることから、自力での復活を断念した。

 栄養のある軟らかい土に入れ替える治療をすれば、ゆっくりだが回復する見込みがあるという。

 治療費は約300万円。校内で募金活動をし、保護者らの協力もあって約11万円が集まった。愛知教育大のホームページでCFのことを知り、5月からCFで資金を募り始めた。集まった寄付を活用し、6年生が卒業する来春までに土の入れ替えを終えたいという。

 6年生の堀井はるさんは、1年生の時に木登りに挑戦したり、運動会で木陰に集まって休憩したりした思い出がある。「私たちにはクスノキを守りきる使命がある。早く元気を取り戻してもらって学校のみんなと笑顔になりたい」と話す。

 CFは31日までREADYFOR(https://readyfor.jp/projects/140831)で受け付けている。(松永佳伸)