【独自解説】『男性の相談を聞くだけで50万円』こんな“甘い誘惑”に要注意!急増する“ニセ副業サイト” 全国で約8600人が騙された、その巧妙な手口とは?

AI要約

"SNS型投資詐欺"や"ニセ広告"に次ぐ"ニセ副業サイト"が急増し、被害が拡大している。

この詐欺グループは"相談に乗るだけで報酬がもらえる"と謳い、実際は手続き費用などの名目で被害者から金を騙し取っていた。

被害額は20億円以上に上り、全国にアジトを持つなど、巧妙な手口で被害者を騙していた。

【独自解説】『男性の相談を聞くだけで50万円』こんな“甘い誘惑”に要注意!急増する“ニセ副業サイト” 全国で約8600人が騙された、その巧妙な手口とは?

 “SNS型投資詐欺”の“ニセ広告”がネット上に蔓延る中、「相談に乗るだけで報酬がもらえる」と謳い、登録者から手続き費用などの名目で金を騙し取る“ニセ副業サイト”も急増しています。悪質で巧妙な、その手口とは?元埼玉県警捜査1課警部補・佐々木成三氏の解説です。

 2024年7月9日、埼玉県警は、“ニセ副業サイト”の責任者とみられる男(34)を逮捕。サイトに登録した女性(23)から約29万円を騙し取った疑いがもたれていて、すでに男女17人が逮捕されています。

 男らは、さいたま市内のビルの一室を拠点にサイトを運営。女性(23)が“相談”に乗った相手は、実際にはこのグループのメンバーで、男らは「相談に乗った相手からの報酬を受け取るためには“認定会員”になる必要がある」などして、その手続き費用の名目で金を騙し取ったとみられています。

 さらに、警察が同一グループの犯行とみて捜査を進めている事件が―。

 詐欺などの疑いで警視庁に逮捕されたのは、特殊詐欺グループのリーダー格の男(48)。2024年6月、“ニセ副業サイト”を使って女性(40代)から金を騙し取った疑いなどで、このグループの男女26人が逮捕されました。警視庁によると、このグループが運営していたのも「チャットで男性の相談を聞くだけで報酬がもらえる」などと謳うサイトです。

 このグループは役割が分担されていて、逮捕された26人のうち1人は“ニセ副業サイト”の『運営役』。リーダー格の男ら合わせて4人は、振り込まれた現金などを引き出す『出し子』。そして、残りの21人は、相談の依頼を装ってメッセージのやり取りなどを行う『打ち子』だったとみられています。

 2023年、このグループが運営する副業サイトに登録した女性(40代)は、“男性”からの“相談”に乗ったといいます。が、この“相談者”はグループが用意したサクラ。女性が報酬を受け取ろうとすると、サイトの運営者から「正規会員の登録が必要です」と言われ、女性は『会員登録費』『ハードウェア設置代』などとして約40万円を騙し取られたといいます。

 “相談者”から被害女性に送られたメッセージには、「このサイトでは50万円ぐらいが妥当とのことだったので、問題なければ、このまま話させていただきます」と、“高額の謝礼”が提示されていました。

 被害に遭ったのはこの女性だけではなく、全国で約8600人。このグループは“出会い系”サイトも運営していて、被害総額は20億円以上にのぼるとみられています。また、宮城・千葉・福岡などにもアジトがあり、警視庁によると、「全国にまたがっているのは例のないことだ」ということです。

Q.「“正規会員”になったら、どんどん相談が来て稼げるようになります」という謳い文句なんですか?

(元埼玉県警捜1課・警部補 佐々木成三氏)

「この手口の上手いところは、『40万円出しても50万円貰える』などと、騙す手口の一つに使っているところです。また、こういった副業サイトで悪質なのが、最初に10~20分ぐらいの簡単な仕事をさせて、1000~2000円ぐらいの少額を渡すんです。『この会社は大丈夫だ』と信じさせて、そこから…というのが手口です」

Q.全国規模は異例、しかも20億円以上の被害ということで、あ然としてしまいます…。

(佐々木氏)

「昔からこういった手口の詐欺はあったんですが、情報通信技術の向上で、騙される側の人が多くなってしまったということだと思います」