「お待ちください」が言えずに苦労…故郷を追われたウクライナ人たちのレストランが継続のピンチ

AI要約

ウクライナ侵攻による避難民が日本で働く場所を求めている中、名古屋にあるウクライナ料理レストラン「ジート」が注目を集めている。

避難民が言葉の壁に直面しながらもジートでは日本語が不要な仕事が提供され、15人ほどが働いている。

開店当初は苦労もあったが、スタッフは成長し、料理や接客に対する評判も良くなっている。

「お待ちください」が言えずに苦労…故郷を追われたウクライナ人たちのレストランが継続のピンチ

ロシアのウクライナ侵攻が長期化するなか、日本では2013人が避難していて「働き場所」の確保が課題です。5月、避難民らでつくるレストランが名古屋に開業しましたが、営業の継続が危ぶまれていてクラウドファンディングで資金を募っています。

 5月15日、名古屋駅近くのビル「ウインクあいち」の地下1階にウクライナ料理のレストラン「ジート」がオープンしました。「ウクライナ避難民が働ける場所」ということで多くのメディアの注目を集めました。

 外務省によると日本に滞在するウクライナからの避難民は6月末現在で2013人で、都道府県別で最も多いのが東京の622人、愛知は122人です。避難生活が長期化するなかで求められる支援策は「働ける場所の提供」ですが、言葉の壁が立ちはだかっています。

 名古屋で活動するNPO法人「日本ウクライナ文化協会」の川口プリス・リュドミラさんは「日本語が分からなくても避難してきた人たちが働ける場所を」とジートをオープンさせました。現在15人ほどが働き、ほとんどが女性です。

 リュドミラさんは「避難民の人たちは仕事が見つからない人が多かった。ジートなら日本語がわからなくても生活のためにお金を稼ぐことができる」と店の意義を説きます。日本語が分からない人はキッチンに、日本語が分かる人はホールへ配置して、それぞれに店での役割をつくりました。

 

 

 開店当初はランチタイムに40~50人ぐらいの客が訪れましたが、スタッフは日本での飲食店の経験がないうえ日本語での接客も不慣れとあって苦い経験もしました。「満席の時にやってきたお客さんに『しばらくお待ちください』とうまく説明できずに、お客さんが帰ってしまうこともあった」とリュドミラさんは振り返ります。今はスタッフも接客に慣れてきてこうしたことはなくなったと言います。

 検索サイト「グーグル」のクチコミを見ると、確かに開店当初には段取りの悪さを指摘するコメントもありましたが、接客の丁寧さや料理のおいしさを伝えるコメントが多い印象です。