「かわいすぎる!人間にしか見えない」「応援するなら実在するモデルさんが」…しまむら、158センチの「AIモデル」起用から考える“人間モデルとの共存”

AI要約

『しまむら』がAIで生成されたファッションモデル、瑠菜さんを起用

AIモデルの特長やその活用方法、懸念点について

他企業もAIを使用したクリエイティブを活用し、成功を収めている

「かわいすぎる!人間にしか見えない」「応援するなら実在するモデルさんが」…しまむら、158センチの「AIモデル」起用から考える“人間モデルとの共存”

 「皆様はじめまして! 瑠菜(るな)です!! この度『しまむら』のファッションモデルになることが決定しました!!」

 衣料品チェーンの「しまむら」が新たにファッションモデルに起用した瑠菜さん。実は、AIで生成された実在しない“AIモデル”だ。

 普段は服飾関係の専門学校に通う学生で身長は158センチ。特技は可愛いものを見つけることで、年齢は20歳という設定の瑠菜さん。その見た目にネットでは…

 「AIなの?めちゃくちゃリアル!」「かわいすぎる!人間にしか見えない」と絶賛する声が上がる一方、「ちょっと違和感がある…」「応援するなら実在するモデルさんがいいな」などの否定的な意見も。

 注目を集める“AIモデル”の起用について「しまむら」は「現状のメインの販促である折込チラシでは、ターゲットとしている若年層に情報が届きにくいため、SNSによる情報発信をどう強化していくか考えていく中で、AIモデルの起用に至りました。ビジュアルやキャラクター設定も若年層が親しみやすいものにしています。移り変わりの早い若者の流行に合わせて、機動的に販促できる点もAIモデルのメリットです」とコメントしている。

 AIを利用する企業は他にも…

 去年10月、パルコが公開した広告動画では、実際のモデル撮影を行わずグラフィックやムービーの他、音楽、ナレーションまで全てをAIで制作。パルコは、「クオリティの高く斬新なクリエイティブを制作する新たな手段としてAIという新しいツールを活用した」としていて、様々なメディアで取り上げられた結果、広告に換算すると1億円超え、クリスマスとしては過去最大の効果があったという。

 多くの企業が注目し、増えていくことが予想されるAIモデル。撮影などのスケジュール調整の必要がなく、不祥事を起こすこともない。制作コストを削減できる。とメリットがあげられる一方で、「実在するモデルの仕事を奪ってしまうのでは?」と懸念する声も。また、生成したAIモデルが実在の人物に似てしまうケースもあり、意図せず肖像権や著作権などを侵害してしまう恐れもある。

 今後のAIモデルの活用についてパルコは「AIモデルを使用することが目的ではないため、広告の実施目的にマッチした場合は使用する」、しまむらは「AIモデルと人間のモデル、両方のメリットを活かしながら併用していく」としている。