女性官僚、幹部登用は道半ば 初の検事総長就任 過去には厚労次官も 警察庁は局長ゼロ…

AI要約

今年4月、国家公務員の女性採用者が過去最高の39・2%を記録。ただし幹部における女性の割合は依然として低い。

女性がキャリア官僚や行政機関のトップに就任する例も増えており、採用の多様化が進んでいる。

女性の幹部登用が遅れている現状には、育成や管理職経験の不足が影響しているとされている。

女性官僚、幹部登用は道半ば 初の検事総長就任 過去には厚労次官も 警察庁は局長ゼロ…

国家公務員採用者に占める女性の割合は今年4月、過去最高の39・2%を記録した。キャリア官僚の女性は増加傾向にある一方で、幹部に限ると女性は1割を切る。省庁や行政機関によって幅があり、女性登用は道半ばだ。

「社会情勢を踏まえれば、これまで男性のみだったポストに女性が就くのは自然の流れ」

9日に女性初の検事総長に就任した畝本直美氏はこう話す。

内閣人事局によると、今年4月の国家公務員の採用者に占める女性の割合は39・2%で10年前から10ポイント以上、上昇。政府が令和2年に掲げた目標の35%以上を達成した。

ただ、女性の幹部登用は低水準だ。

5年7月時点で、各府省庁の課長や室長に女性が占める割合は7・5%。部長や局長以上では4・7%にとどまり、全職員に占める女性の割合(23・7%)を大幅に下回る。

なかでも警察庁と国土交通省は課長や室長のうち女性は2%台で、警察庁で局長に就任した女性はゼロ。府省の事務方トップである事務次官に就任した女性は、過去に労働省(現厚生労働省)の松原亘子氏と厚労省の村木厚子氏のみだ。

一方、対象を府省以外の行政機関に広げると、人事院は川本裕子総裁、会計検査院は田中弥生院長で、いずれも民間出身女性が長に就いている。

法曹界では畝本氏に先立つ今年4月、日本弁護士連合会として初の女性会長に渕上玲子氏が就任。法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)で女性トップを輩出していないのは裁判官のみとなった。

資質や実績があっても女性の昇進が制限される見えない障壁は「ガラスの天井」と呼ばれる。内閣人事局の担当者は「現在管理職となっているのは、女性採用が少なかった世代が中心。採用した人材の育成が進めば、確実に女性幹部は増える」としている。(桑波田仰太)