都知事選落選も2位と善戦…石丸伸二を全国区に押し上げた紫Tシャツ軍団〝石丸マダム〟推し活の威力

AI要約

東京都知事選で小池百合子都知事が3選を果たし、蓮舫氏は3位に敗れた。小池氏は291万票を獲得し、蓮舫氏は力不足を認めた。

石丸伸二氏は2位に浮上し、165万票を集める大健闘を見せた。石丸氏のサポーターである“石丸マダム”も大きな貢献を果たした。

石丸氏はSNS人気を活かして知名度を上げ、紫色のTシャツを着た“石丸マダム”たちが熱心に応援した。彼女たちの存在が石丸氏の選挙戦に大きな影響を与えた。

都知事選落選も2位と善戦…石丸伸二を全国区に押し上げた紫Tシャツ軍団〝石丸マダム〟推し活の威力

過去最多の56人が立候補した東京都知事選の投開票が7月7日に行われ、現職の小池百合子都知事(71)が291万超の票を集め、3選を果たした。

小池氏と前参院議員の蓮舫氏(56)による事実上の一騎打ちとなるのではと見られていたが、蓮舫氏の結果は3位と惨敗。同日の遅い時間に会見を行った蓮舫氏は、鎮痛な面持ちで、

「私の力不足に尽きる」

と敗戦の弁を述べた。記者から国政(次の衆議院選挙)について問われると、

「きょうは私の思いが届かなかった結果が出た日なので、それに対して私に何が足りないのか、少し考える時間をください。国政に(今回の都知事選が)与える影響について、私は今、答える立場にありません」

と明言を避けた。同じ敗戦でも、蓮舫氏とは全く異なった様子を見せていたのが、石丸伸二氏(41)の陣営だ。

同選挙で台風の目となった石丸氏だが、165万超の票を獲得し、2位と大健闘した。石丸氏は、同日の午後8時過ぎに支援者の前で挨拶し、

「選挙に際して、私のチーム、本当に全力を尽くせたなと感じます。数えきれないほどの皆さんの力を頂戴することができた。その点において、胸を張って、できることは全部やったと言い切ります。本当にありがとうございました」

と晴れ晴れとした表情を見せた。今後については、「まだ決めてません」としながらも、国政出馬の可能性について聞かれると、

「選択肢としては当然考えます。例えば広島1区。岸田首相の選挙区です」

と述べて、場内からは大きな拍手が起きた。その中には、石丸氏のイメージカラーである紫色のTシャツやタオルを身につけ、ボランティア活動を行った“石丸マダム”たちの姿もあった。

「今回の大躍進に、彼女たち“石丸マダム”たちも大いに貢献したと言えるでしょう」

そう語るのは、選挙戦を取材した全国紙記者だ。

「石丸氏は市長時代に市議会との対立をきっかけにSNSを中心に知名度を上げていきました。市議会で居眠りをする議員に対して、『恥を知れ、恥を』と断罪したり、地元メディアを論破する姿が切り抜き動画で拡散され、“論破王”として注目を浴びます。

ただ、安芸高田市公式YouTubeの再生回数を増やし知名度は上げましたが、ほかには特筆すべき実績はありません。都知事選は名前を売るための“顔見世興行”とみられていました」

SNS人気があっても、どこまで票に結びつけられるのかがカギとなっていたが、実際に選挙戦で活躍を見せたのが、5000人規模に膨れ上がったボランティアたちだった。その中心を担っていたのが、“石丸マダム”である。

「彼女たちは、石丸氏が各所で行った街頭演説に、石丸氏のイメージカラーである紫色のTシャツやタオルを身に着け、大挙して押しかけていました。アイドルのライブのようにうちわを持参する“マダム”の姿もありました。その中にボランティア登録をして、追っかけをしている人も少なくありませんでした」(前出・記者)

ボランティアに参加するため千葉県から来たという40代の女性は、

「今日は休みなので、行ける街頭演説は全部回ろうと思います」

と話した。石丸氏の街頭演説には彼女たちのような多くの聴衆が集まり、連日の盛況ぶりだった。投票日前日の7月6日に、福岡県から一人で応援に駆けつけたという50代の女性は、

「完全に”推し活”です。石丸さんの安芸市議会のYouTube動画でファンになりました。独身というのも魅力。私たちおばさんが応援してあげないとっていう気持ちにさせてくれるんです。選挙権もないのにどうかと思いましたが、近くで生の声が聞きたかったので、思い切って来ました。今日は一日、追いかけて、夜は推し活仲間たちと集まって飲み会です」

と笑った。「選挙に勝ってほしいか?」との問いには、

「もちろん勝ってほしいけれど、正直、結果はどっちでもって感じですかね(笑)。今後も、推しは続けるので」

と、流れる汗を拭きながら語った。

SNSでの人気をリアルにも結び付け、その名を全国区にした石丸氏。その結果、選挙直前には、ホリエモンこと堀江貴文氏が「X」で、

《ついにバンドワゴン効果が出てきたな。石丸伸二候補。面白いからみんな選挙行こう!》

と、再び石丸氏に言及したことも大きかっただろう。

「演説の中身は具体性のあるものではありませんでしたが、あれだけの票を集めました。爽やかなビジュアルと爽快なしゃべりはテレビ的にもかなり魅力的です。今後、コメンテーターとしてオファーしたいと申し出るテレビ局も出てくると思いますが、国政に打って出るとなると、難しいかもしれませんね」(テレビ局関係者)

6月29日、石丸氏は、元宮崎県知事でタレントの東国原英夫氏のYouTubeチャンネル『時事砲談TV』の『そのまんま宮崎』に出演し、東国治氏と対談。石丸氏が、街頭演説後に『サンデージャポン』(TBS系)の取材を受けたことを伝えると、東国治氏は、石丸氏が仮に落選したとしても、

「この人はサンジャポファミリーに行くんじゃないかなと」

と予想していたが、果たして……。いずれにしろ、“石丸マダム”たちは、これからも彼を追い続け、大きな力となるに違いないーー。