小学生の「推し活」メリット3つと親介入の注意点 理解できなくても「好き」を発見した喜びを共有

AI要約

小学生にも推し活が広まりつつある。学研教育総合研究所の調査によれば、小学生の53%が推しを持っているという。

推し活は自己表現の一環として位置付けられ、プロジェクションという認知科学の概念からも説明される。

推し活の普及には、"オタク"的なイメージが薄れ、インターネットの普及や推される側の露出増加、親の影響などが要因とされる。

小学生の「推し活」メリット3つと親介入の注意点 理解できなくても「好き」を発見した喜びを共有

「推し活」という言葉の認知度が上がり、現在では小学生にも広がりつつある。学研教育総合研究所が発表した「小学生白書」によれば、対象となった小学生の53%が「推しがいる」と回答したという。アニメのキャラクターやYouTuberなど対象はさまざまだが、小学生が推し活をすることによって、生活や成長にどのような影響があるのか。

「推し活」といえば、アイドルのファンやアニメファンの間で行われてきた「オタク」的な活動に端を発するイメージがあるが、今では学校生活や仕事の傍ら、推し活にいそしむ人が少なくない。

推し活について心理学の立場から研究してきた久保氏によれば、推し活は「プロジェクション」という認知科学の概念からも説明できるという。

「私たちは、外部から得た視覚や聴覚などによるさまざまな情報を受容し、自分のなかで“表象”をつくります。そこには自分だけの意味や価値があり、それらを再び外の世界へと投影し、心と外界をつなげる。それが“プロジェクション”という働きです」

例えば、友人が赤いスマホケースを持っていたとする。私たちにとっては単なる「赤いケース」だが、もし友人が「赤がメンバーカラーのアイドル」を推しているとしたら、それは「推しのカラーのケース」という大きな意味をもつ。推しに関連する色や数字に思い入れを抱いて自分でも身につけることなどは、推し活でよく見られる自己表現の1つだ。

「昔は『オタクがやること』だったものが、『推し活』という言葉が生まれたことで、誰もが、よりカジュアルに推し活を楽しめるようになりました。推し活に慣れ親しんだ世代が親になっていることもあり、子どもが推し活にふれる機会も自然と増えています。また、コロナ禍で“推される側”の活動場所や露出がインターネットで増加したこと、学校での一人一台端末も相まって子どもが上手にインターネットを使うようになったことなどを背景に、小学生にも推し活が広まっているのでしょう」