教卓上やトイレの前…生徒情報置き忘れ止まず、今度は札幌の中学など2校

AI要約

札幌市教育委員会は、生徒の特性などを記載した内部資料が教卓に置き忘れられ、生徒に露見した問題が発生している。

さらに別の学校でも生徒指導に関する資料が放置され、個人情報管理の問題が浮き彫りになっている。

教職員の個人情報取り扱いに関する処分などが行われている。

 札幌市教育委員会は8日、市立中島中学校(中央区)の教諭が生徒の特性などを記載した内部資料を教卓に置き忘れ、複数の生徒が内容を目にしていたことを明らかにした。幕別清陵高校(幕別町)も同日、生徒指導に関する資料がトイレの前に放置されていたと発表。道内では先月、別の同市立中学校でも生徒の家庭環境などを記した資料とみられる書類がSNS上に流出しており、学校現場の個人情報管理のあり方が問われる事態になっている。

 札幌市教委によると、中島中で個人情報の不適切な取り扱いが判明したのは5月16日。一部の生徒について、指導上の配慮が必要となる点などを記載した書類がファイルに挟まれて教卓に放置されていた。遅くとも前日から置かれていたとみられるという。

 資料には生徒の特性をやゆするような表現も使われており、同市教委は資料作成の目的を「教諭の間で生徒の情報を共有し、指導の参考にするためだった」などと説明。教員の処分については今後検討するとしている。

 一方、幕別清陵高校では今月2日、生徒14人分の氏名や指導状況などをまとめた資料が男子生徒用のトイレ前に放置されていた。同日の職員会議で使用されたもので、会議終了後に校内を巡回していた教員が発見したという。現時点で資料を見た生徒は確認されていないが、同校は6~8日に生徒と保護者に謝罪した。

 札幌市立中学校の内部資料とみられる書類がSNS上に流出した問題で、同市教委は8日、50歳代の男性校長を減給10分の1(1か月)、20歳代の女性教諭を戒告の懲戒処分にした。

 発表によると、教諭は4月10日、生徒の性格や家庭環境などを記した一覧表を体育館に置き忘れ、紛失に気づいた後も上司に報告していなかった。

 また、校長は個人情報の取り扱いについて教諭らに十分な指導をせず、生徒や保護者を傷つけるような表現が使われている点についても是正しなかったなどとしている。