K2の救助打ち切り「心痛」 クライマー2人の関係者ら

AI要約

パキスタンの高峰K2で滑落した平出和也さんと中島健郎さんの救助活動が打ち切られ、関係者らが悲嘆に暮れている。

山岳ジャーナリストの近藤幸夫さんや日本ヒマラヤ協会の寺沢玲子さんは2人を支援してきた過程や彼らの人柄について語っている。

中島さんの母校である関西学院大は、引き続き彼らを見守る姿勢を示している。

 パキスタンの高峰K2(8611メートル)で滑落した、山岳カメラマンでクライマーの平出和也さん(45)=長野県出身=と中島健郎さん(39)=奈良県出身=の救助活動が打ち切られた。平出さんの父哲夫さん(74)は31日、長野県富士見町で取材に応じ「非常に心痛な思いだ」と言葉少なだった。関係者らも悲嘆に暮れた。

 2人を長年取材してきた山岳ジャーナリストの近藤幸夫さん(65)は平出さんから「明日、K2に行きます」と電話をもらった。帰国後に会う約束だったといい「吉報を彼の口から聞きたかった」と肩を落とした。

 登山の「先輩」として平出さんを長年支援してきた日本ヒマラヤ協会の元常務理事寺沢玲子さん(72)は「緻密に山を調べるし、力量もすごい」と出会った約20年前を振り返る。ひょうきんな一面もあり「誰からも好かれていた」と話した。

 中島さんの母校、関西学院大は「厳しい状況が続くが、引き続き見守りたい」とのコメントを出した。山岳部OBで卒業後も現役部員をサポートしていて「学生に寄り添う存在」とした。