不祥事続く鹿児島県警 交通事故の書類22通偽造の元警官に有罪判決

AI要約

鹿児島県警の元巡査部長が交通事故捜査で虚偽の供述調書を作成し、公文書を毀棄した罪で懲役2年6カ月執行猶予4年の判決を受けた。

被告は10件の交通事故で22通の虚偽書類を作成し、上司に提出。さらに捜査書類を自宅に持ち出すなどの行為が明らかになった。

今年に入り鹿児島県警で不祥事が相次ぎ、警察庁が特別監察を進める状況にある。

不祥事続く鹿児島県警 交通事故の書類22通偽造の元警官に有罪判決

 交通事故の当事者に取り調べをしないまま虚偽の供述調書を作成するなどしたとして、虚偽有印公文書作成・同行使や公用文書毀棄(きき)の罪に問われた鹿児島県警姶良(あいら)署交通課の元巡査部長、森重仁志被告(53)=鹿児島県姶良市=の判決公判が8日、鹿児島地裁であった。小泉満理子裁判長は懲役2年6カ月執行猶予4年(求刑懲役2年6カ月)を言い渡した。

 判決によると、森重被告は2019年9月~22年2月、10件の交通事故の捜査で22通の虚偽の書類を作成し、上司らに提出した。また、21年8月に起きた交通事故の捜査書類を署から持ち出して自宅に隠した。小泉裁判長は「事件処理が遅れており、虚偽の内容の捜査書類を作成して楽に処理したかったという動機は身勝手といわざるをえない」と指摘した。

 鹿児島県警をめぐっては今年、現職警官3人と前生活安全部長の計4人が逮捕されるなど不祥事が相次いでおり、警察庁が6月から特別監察を進めている。(冨田悦央)