上下水道の漏水検知にDX活用 5年で全国展開へ 首相表明

AI要約

岸田文雄首相は、上下水道に人工衛星や人工知能を活用した漏水検知技術を全国の自治体に展開する方針を示した。

水循環基本計画の改定にも取り組み、水道管の耐震化状況の点検も進める予定。

首相はDXを活用した漏水検知システムを視察し、効率化効果を確認。水力エネルギー活用にも取り組む考えを示した。

上下水道の漏水検知にDX活用 5年で全国展開へ 首相表明

岸田文雄首相は8日、上下水道での漏水検知に人工衛星や人工知能(AI)などを活用する技術について、今後5年程度で全国の自治体などに展開し、標準化する方針を示した。「上下水道DX(デジタル・トランスフォーメーション)」として、8月にも改定する「水循環基本計画」に盛り込み、来年度予算案からの計上を目指す。

視察先の岐阜県内で記者団に明らかにした。能登半島地震での断水を踏まえ、重要施設に接続する水道管の耐震化状況の点検を10月中に完了する考えも示した。

首相は8日、愛知県豊田市の上下水道局でDXを活用した漏水検知システムを視察した。漏水調査の時間と費用を10分の1に削減するなどの効果が出ており、昨年には政府の表彰も受けている。首相は「デジタルの力で効率化する効果を実感した」と話した。

その後視察した愛知・岐阜県境の矢作ダムでは、矢作川水系での水力エネルギー活用などについて説明を受けた。首相は視察後、今年度をめどに見直すエネルギー基本計画の中で水力エネルギー増強の議論を進める方針も明らかにした。(重川航太朗)