岸田政権、苦境打開見通せず 立民は衆院選戦略に課題

AI要約

岸田文雄首相が東京都知事選で大型選挙での連敗を止めたが、次期衆院選に向けての苦境が続く可能性がある。

自民党は選挙での連敗が続き、無党派層の支持を得た石丸伸二氏などからの不信が広まる中、岸田政権の行方が不透明な状況にある。

都市型選挙では無党派層の動向が鍵を握り、自民内で首相の存在に対する疑問が広がり、党勢回復への不安が高まっている。

 岸田文雄首相は東京都知事選を巡り、自民、公明両党支援の小池百合子知事の3選で、大型選挙での連敗をようやく止めた。ただ自民派閥裏金事件の逆風の中、次期衆院選へ苦境を打開できるかどうか見通せない。政党に頼らない石丸伸二氏が無党派層などで一定の支持を得たことを踏まえ、既成政党への不信が広がっているとみて懸念を強める。九つの都議補欠選挙の結果も岸田政権の行方を左右する。蓮舫氏を支えた立憲民主党は衆院選戦略に課題を残した。

 自民は4月の衆院3補欠選挙で不戦敗を含め全敗し、5月の静岡県知事選でも推薦候補が敗北。有権者から強い不満を突き付けられ、都知事選では表立った応援を控えざるを得なかった。幹部は「首都決戦でも敗れれば、党勢の退潮傾向がよりはっきりしてしまう」と深刻視。小池氏の集票力を頼りに何とか「勝利」を確保した形だ。

 都知事選のような都市型選挙は無党派層の動向が鍵を握る。自民内では衆院選に向け「『選挙の顔』が岸田首相でいいのか」(閣僚経験者)との疑問とともに、党勢回復が遠い現状へ不安が増す。