能登の夏が始まった 巨大な灯籠舞うキリコ祭りの先駆け「あばり祭」

AI要約

能登半島地震で被災した石川県能登町宇出津で、能登の夏の風物詩であるキリコ祭りの先駆けとなる「あばれ祭」が始まった。

太鼓と笛の音が鳴り響き、巨大な灯籠「キリコ」が担ぎ出される中、壊れた家屋の残る町を練り歩いた。

地震の影響にもかかわらず、祭りの雰囲気の中では地震を忘れられるほどに盛り上がりを見せている。

能登の夏が始まった 巨大な灯籠舞うキリコ祭りの先駆け「あばり祭」

 能登半島地震で被災した石川県能登町宇出津(うしつ)で5日、能登の夏の風物詩、キリコ祭りの先駆けとなる「あばれ祭」が始まった。

 太鼓と笛の音が響き渡り、「イヤサカヤッサイ! サカヤッサイ!」の掛け声とともに巨大な灯籠(とうろう)「キリコ」が担ぎ出され、壊れた家屋の残る町を練り歩いた。

 たいまつを奉納する「前厄」の青山正道さん(39)は「いま、この祭りの雰囲気の中では、みんな地震があったという感覚を持っていないと思う。当たり前が戻り、町に戻れる人が増えたらいい」と話した。

 キリコ祭りは能登の6市町約200地区で7~10月に行われる。それぞれの地区ごとに特徴があるが、今年は地震でお宮が倒壊したりキリコが壊れたりして、すでに中止を決めた祭りもある。

 あばれ祭でも、一部の町内はキリコを出すことや、担いで町会を練り歩くことを見送った。6日夜には、2基の神輿(みこし)を路面にたたきつけ、川に投げ込んだり火の中を通したりと、大暴れするクライマックスを迎える。(上田真由美)