同性愛男性は「難民に該当」 国の不認定処分を違法と判断 大阪地裁

AI要約

30代男性が北アフリカから来日し、難民不認定処分の取り消しを求めた訴訟で、大阪地裁が難民に該当すると判断し、国の処分を違法として取り消しを命じた。

男性は同性愛を理由に母国で迫害され、家族からの暴行や脅迫を受けたと主張。裁判所は帰国すれば引き続き危険があると判断した。

代理人弁護士によると、この判決は同性愛者への迫害を認めるものとして注目され、昨年の判決に続いて2例目となった。

同性愛男性は「難民に該当」 国の不認定処分を違法と判断 大阪地裁

北アフリカの母国で同性愛を理由に迫害されたとして来日した30代の男性が、国に難民不認定処分の取り消しを求めた訴訟の判決が4日、大阪地裁であった。徳地淳裁判長は、帰国すれば迫害や逮捕のおそれがあるとして「難民に該当する」と認定。国の処分は違法とし、取り消しを命じた。

判決によると、男性はイスラム教の国出身。令和元年末に来日し、9日後の2年1月、同性愛を理由に家族から監禁・暴行されたり、車でひき殺されそうになったりしたなどと訴え難民申請したが、認められなかった。

判決理由で徳地裁判長は、男性の母国では同性愛者が社会的な嫌悪の対象になるだけでなく、刑事罰があり、実際に摘発が行われていると指摘。帰国すれば家族から危害を加えられたり、逮捕されたりする「現実的なおそれ」があり、「国の保護を受けることができない」と判断した。

判決後、大阪市内で会見した男性は英語と日本語を交え「舞い上がるようなうれしい気持ち。仕事をして、この国で生きていきたい」と話した。

代理人弁護士によると、裁判所が同性愛への迫害を理由に不認定を覆すのは、昨年3月の大阪地裁判決に続いて2例目。出入国在留管理庁が昨年作成した「難民該当性判断の手引」でも、性的マイノリティーは難民認定理由になり得るとしている。