将棋の西山女流三冠、棋士編入試験の受験可能に 初の女性棋士への道

AI要約

将棋の西山朋佳女流三冠が棋士編入試験の受験資格を獲得し、「女性棋士」誕生の可能性が高まった。

西山は過去に奨励会で活動し、女流棋士に転向してタイトル獲得を重ねてきた。

編入試験を受けるため、西山は公式戦での成績を積み重ね、受験資格を満たした。

将棋の西山女流三冠、棋士編入試験の受験可能に 初の女性棋士への道

 将棋の西山朋佳女流三冠(29)=白玲・女王・女流王将=が4日、東京都渋谷区の将棋会館で指された第18回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)1次予選1回戦で阿部光瑠(こうる)七段(29)に勝ち、棋士編入試験の受験資格を獲得した。受験し、合格すれば史上初の「女性棋士」が誕生する。

 「女流棋士」と「棋士」は制度が異なる。棋士は性別を問わず、養成機関「奨励会」を突破すればなれるが、過去に在籍した女性で四段(棋士資格)への昇段を果たした人はいない。西山も2010年から21年まで奨励会に在籍し、最高位の三段まで昇ったが、四段にはなれずに退会。21年4月に女流棋士に転向し、タイトル獲得通算16期を重ねている。

 アマチュアと女流棋士には、奨励会を突破しなくても編入試験によって棋士になる道があり「棋士の公式戦で10勝以上、かつ勝率6割5分以上の成績」を残すと受験資格を得る。西山は昨年6月から本局までの公式戦成績が13勝7敗となり、資格を満たした。

 西山が受験を表明した場合、編入試験五番勝負が行われる。新人棋士5人が対局相手となる試験(月に1局ずつ)で3勝すると合格。棋士編入を果たし、史上初の「女性棋士」が誕生することになる。

 2014年の制度化以降、棋士編入試験の受験資格を得たのは西山で7人目。女流棋士では22年に福間香奈女流五冠(32)=清麗・女流王座・女流名人・女流王位・倉敷藤花=が獲得し、編入試験五番勝負に臨んだが、0勝3敗で不合格に。西山は女性として2例目の資格獲得となった。

 西山は1995年、大阪府大阪狭山市出身。伊藤博文七段門下。5歳で将棋を始める。2010年、奨励会に入会。15年に三段に昇段したが、21年に退会。豪快な指し回しを武器とする振り飛車党で、現在は女流八冠を福間と分け合っている。(北野新太)