《闇が深い》ゴミ屋敷から出てきた「尿入りペットボトル」は500本…ヤバい現場を作った「まさかの人物」の正体

AI要約

ごみ屋敷で発見された尿ペットボトルの正体が明らかになる。清掃員が尿ペを処理する中で驚きの事実が明らかになる。

清掃作業中に突然現れた不動産屋が尿ペットボトルそっくりの緑茶を差し入れ。社員がその人物との関係に戸惑う。

スーツ姿の男性が「不動産屋」として現れ、尿ペットボトルそっくりの緑茶を持参。その人物の正体に疑問が残る状況。

《闇が深い》ゴミ屋敷から出てきた「尿入りペットボトル」は500本…ヤバい現場を作った「まさかの人物」の正体

〈「防塵マスク越しでも鼻に突き刺さるとんでもない激臭」ゴミ屋敷をキレイにする上で避けられない「謎の液体の入ったペットボトル」の正体〉 から続く

「嘘だ!!」――ゴミ屋敷に500本近くあふれた「尿ペ(尿入りペットボトル)」。清掃員も驚きのヤバすぎる現場に、突如現れた「尿ペの作り主」とはいったい…? 12年間ごみ清掃員として働いたお笑い芸人・柴田賢佑氏による『 ごみ屋敷ワンダーランド ~清掃員が出会ったワケあり住人たち~ 』(白夜書房)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/ 前編 を読む)

◆◆◆

 自前の服は無事だったようだが、社員は完全に意気消沈してしまった。

 ここは行くしかないと僕も前衛に行き、作業を進める。

 こういったごみ屋敷は前衛と後衛に分かれることが多い。前衛は、分別しながらごみをかき分け進んでいく。後衛は、ごみ袋を広げたり、分別に使う段ボールを用意したりするなどのサポート役を担う。

 尿ペはそのまま捨てることはできない。後で中身をトイレに流すため、尿ペだけを分けておく。

 前衛に入った僕は、やられた社員の仇を取るように躍起になっていた。強いメンタルとフィジカルを見せ、ごみの中をズイズイ進んでいく。

 一心不乱に進んで行くと、ある時から、「可燃ごみ中心に掘ろう」と思うだけで可燃ごみが浮かび上がり、手が可燃ごみを自動的に掴むようになっていた。いわゆる、「分別ゾーン」に入ったのだ。僕はゾーンに入ることがたまにある。

 社員に「ゾーンに入りました!」と伝えると、一瞥もくれずに「そうですか」と返された。

 ゾーンに入っているうちに、行けるとこまで行くぞと分け進んでいると、窓の外から「お疲れ様でーす」と声を掛けられた。朝の“不動産屋”が差し入れを持ってきてくれたようだ。全員、休憩がてら外に出ることにした。

「お疲れ様です! これ良かったら」と、ペットボトルの濃いタイプの緑茶を全員分頂いた。

 お気づきの方もいるかもしれないが、尿ペの見た目はほぼ濃いタイプの緑茶だ。ここで緑茶をゴクゴク飲めるようなタフなヤツは、そういない。

「ありがとうございます」とお礼を言いながら、誰も手をつけることなくトラックにしまいこんだ。

“不動産屋”は、「よろしくお願いしますね!」とスーツの上着をファサッと肩にかけ、爽やかに帰って行った。

 朝、その男性と打ち合わせをしていた社員に、「今の不動産屋さんからの依頼なんですか」と聞くと、「今のが住人だよ」と返された。

 住人?

 誰が?

 今の人? 不動産屋みたいな人?

「嘘だ!!」と心の中ではなく、口に出していた。

 スーツもきっちり着ていて、髪もきっちりセットしていた。まったく「そう」は見えないのだ。

 だとすると、緑茶の差し入れも疑問が出てくる。わざわざ緑茶!? 自分の尿ペが緑茶みたいだなとわかってるはずなのに、なぜ!?