旭川中2自殺は「いじめが主原因の可能性高い」 市の再調査委員会

AI要約

旭川市でいじめを受けていた中学生が凍死体で見つかる事件の再調査委員会が、いじめが自殺の主たる原因であった可能性が高いことを明らかにした。

遺族側がいじめの定義が限定的だとして反発し、再調査を求めている。

広瀬爽彩さんの死亡までの経緯や調査の過程、報告書の流出などの詳細が挙げられている。

旭川中2自殺は「いじめが主原因の可能性高い」 市の再調査委員会

 北海道旭川市で2021年3月、いじめを受けていた中学2年広瀬爽彩(さあや)さん(当時14)が公園で凍死体で見つかった問題で、市の再調査委員会(尾木直樹委員長)は30日、市教委の第三者委が「不明」としていた自殺との因果関係について、「いじめ被害が生徒の自殺の主たる原因であった可能性は高く、いじめ被害が存在しなければ生徒の自殺は起こらなかった」との調査結果を明らかにした。

 市教委の第三者委は調査報告書で「凍死は自殺」としたが、自殺に至る要因は、いじめ以外にも学校での不適応、孤独感など多岐にわたり、因果関係を特定できなかったことから「不明」としていた。

 これに対し、遺族側が反発。いじめの定義が限定的に解釈されているとして、再調査するべきだと指摘。今津寛介市長は22年12月、市長直属の再調査委を発足し、「いじめと自死との関連性の再検証」を最重要課題として3項目を諮問していた。(奈良山雅俊)

 ■広瀬爽彩さんの死亡をめぐる経緯

 <19年4月> 広瀬爽彩(さあや)さんが北海道旭川市立中学校に入学

 <4~6月> 上級生から性的ないじめを受けるようになり、未明に呼び出されたり、菓子などをおごらされたりする

 <6月> 市内の川へ入り自殺を図る

 <8~9月> 市教委と学校が設けた「謝罪の場」で生徒らが母親に謝罪

 <10月> 道教委が市教委に、いじめの疑いがあると考え対応するよう求める。しかし市教委はそれ以上調査せず

 <20年5月> 広瀬さんがツイッターの匿名アカウントでいじめを受けていたと投稿

 <21年2月> 自宅を出た後、行方不明に

 <3月> 凍死体で発見

 <4月> 文春オンラインが報道。市総合教育会議が、いじめの疑いのある重大事態として調査を市教委に求める

 <6月> 市教委の第三者委員会が調査開始

 <8月> 遺族の代理人弁護士が母親の手記と広瀬さんの名前を公表

 <22年3月> 第三者委が中間報告で6項目のいじめを認定。4月に概要を公表

 <9月> 第三者委が最終報告書を公表。自殺といじめの因果関係は「不明」とした。遺族側が再調査を求める。旭川市長が市長直属で再調査を行うと表明

 <12月> 市が教育評論家の尾木直樹氏ら5人に再調査委員を委嘱、東京で初会合

 <23年9月> 黒塗りなしの報告書が流出しているとの情報。10~11月に市教委が調査したが、「事実を確認できず」

 <24年6月> 報告書の「たたき台」とみられる黒塗りなしの文書がネットに流出。市教委が削除要請など対応に追われる

 <30日> 再調査委員会が調査終了を報告

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