東京都知事選挙、選挙ポスターに細かな工夫…各陣営の狙いとは

AI要約

東京都知事選の各候補者の選挙ポスターの工夫が紹介されている。

小池百合子候補は包み込む表情の写真と緑色で都民との絆をアピール。

蓮舫候補はシックなデザインと個性を強調するポスターを採用。

 東京都内各地でよく見かける都知事選(7月7日投開票)の選挙ポスター。有権者が投票先を決める際の判断材料になるだけに、候補者らは自身の思いを届けようと細かな工夫を凝らしている。各陣営の狙いとは。

 「厳しい顔つきでなく、包み込むような表情の写真を選んだ」。そう説明するのは、現職の小池百合子候補(71)の陣営幹部。首都を率いるリーダーは、広く都民の声に耳を傾けるべきだとの考えに基づく。

 基調は、環境相を務めた時からのイメージカラーの緑で、「これからも、都民のために。都民とともに。」とのメッセージを記した。「東京」でも「都政」でもないのは、「都民のために頑張る」という小池候補の強いこだわりだという。島しょ部に貼るポスターには、「都民」を「島民」に変える心配りも見せた。

 前参院議員の蓮舫候補(56)のポスターは、本人の顔を大きく配したのが特徴。黒を基調とし、自身の名前を白抜きにして浮かび上がらせ、洗練された印象を狙った。陣営関係者は「シンプルにシックに。チャレンジャーの意気込みが伝わるポスターにしたかった」と解説する。

 名前の頭文字「R」をピンク色にし、耳元に配置。参院議員に初当選した20年前を知る陣営関係者は「かつては女性らしく、母親らしくと考えて使ったが、今回は候補の顔を引き立てる『差し色』として使った」と過去との変化も語った。

 広島県安芸高田市前市長の石丸伸二候補(41)の写真は、歯を見せない引き締まった表情を採用。キャッチフレーズの「東京を動かそう」は、「『みんなでやっていこう』という意味で本人が考えた」と陣営関係者は明かす。

 右下には、出身地や学歴、銀行でアナリストとして勤務した経歴を書き込んだ。「ビジネスマン出身という強みをアピールしたい」という。

 元航空幕僚長の田母神俊雄候補(75)の写真は、左眉を上げた渋い表情でじっとこちらを見つめる。名前を金色で記したのは、選挙戦で「1位になる」との決意の表れという。

 左下には、白の筆文字で「さあ反撃だ! 日本!」。田母神候補がよく使用するキャッチフレーズで、「『失われた30年』で自信をなくした日本を叱咤(しった)したい」との思いを込めているという。