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孤立出産で男児殺害か 背景に何が…女の母親が生い立ち語る「5年生から小学校に」
タイ国籍の女性が自宅で孤立出産した男の赤ちゃんを殺害し遺棄した罪に問われる裁判が行われ、被告は死体遺棄は認めるものの殺人を否認している。
被告の母親は、被告の生い立ちを語り、母子家庭で育った過程や無戸籍だったこと、高校中退や援助交際の経験などを明かした。
母親は今でも支える覚悟を示し、被告は涙ながら母親の言葉を受け入れている。判決は7月18日に予定されている。
![孤立出産で男児殺害か 背景に何が…女の母親が生い立ち語る「5年生から小学校に」](/img/article/20240625/667a99eac3387.jpg)
自宅で孤立出産した男の赤ちゃんを、浴槽に沈めて殺害し遺棄した罪に問われているタイ国籍の女の裁判で、女の母親が法廷で生い立ちを語りました。
タイ国籍のカオピアパニット・ジュン被告25歳は、おととし4月川崎市中原区の自宅で出産した男の赤ちゃんを浴槽の水に沈めて殺害し、マンションのゴミ置き場に遺棄した罪に問われています。
これまでの裁判で被告は「死体遺棄は認めますが、殺人は認めません」と述べ、殺害を否認しています。
25日の裁判では被告人質問が行われ、捜査段階では殺害を自白していたことを検察側が指摘すると、被告は「何かしゃべらなきゃという気持ちで、想像で話しました」と説明。
また、「赤ちゃんを死なせてしまってすごく申し訳ない。 今まで色々なことに向き合って来られなかったからこうなってしまい、今でもずっといっぱい後悔している」と述べました。
一方、カオピアパニット被告の母親も法廷に立ち、被告の生い立ちを語りました。
3歳の時から母子家庭で2人暮らしになり、「仕事とかでイライラした時もありやつあたりして叩いたり、『ばか』とか『お前なんかいらない』と言ったこともある」と証言。
母親は被告の父親ではない日本人男性との婚姻関係が続いていたことから、「10歳くらいの時に出生届を出した」と述べ、幼少期の被告が無戸籍だったことを明かしました。
そのため小学校は5年生から入り、いじめを受けたこともあったものの、母親は「知りませんでした。 私のことが怖いから、友達との仲が悪いと私が文句を言うと思ったんじゃないか」と分析。
また、性暴力を受け高校を中退したことや援助交際をしていた時期などがあったものの、当時はいずれも「知らなかった」と述べました。
そして「シングルマザーになったら、とにかく朝から晩まで働かないと生活が続かなかった」と、親子で関わる時間が少なかった当時を振り返りました。
そのうえで「外に出たら、仕事をしてやり直してほしいから、ジュンが一人で悩まないようにサポートしたい」と述べ、被告は終始涙を拭いながら聞いていました。
判決は7月18日に言い渡される予定です。