男の姉「母親の命を奪ったことを重く受け止めて」母親を殺害し遺体を遺棄した男の裁判 男の生い立ちも語られる(山形)

AI要約

男が母親を殺害し、遺体を高齢者施設内に遺棄した事件の裁判が行われている。

裁判では榎本被告の姉が出廷し、母親の命を奪ったことを重く受け止めてほしいと証言した。

証人尋問では、榎本被告の過去や事件の経緯などが明らかになった。

母親を殺害して鶴岡市の高齢者施設内に遺体を遺棄した男の裁判員裁判は、きょう2日目を迎え、証人尋問が行われました。

法廷には男の姉が出廷し「母親の命を奪ったことを重く受け止めて欲しい」などと証言しました。

殺人と死体遺棄の罪に問われているのは、東京都の会社役員、榎本虎太郎被告(41)です。

起訴状などによりますと、榎本被告は去年10月、東京都で母親の萬里子さんの首を絞めたり鼻や口を塞いだりなどして殺害し、遺体を自らが経営する鶴岡市内の高齢者施設の敷地内に遺棄した罪に問われています。

きのうの初公判で榎本被告は「殺すつもりはなかった」などと殺意を否認し、弁護側は、傷害致死罪の適用を求めています。

きょうの裁判では証人尋問が行われ、検察側と弁護側の双方からの請求で、榎本被告と一緒に警察署に向かった姉が証言台に立ちました。

弁護側からの質問で、榎本被告の生い立ちや親子関係について問われると、母親から虐待を受けていたことや、多額の相続税を背負わされていたことなど、徐々に親子関係が悪化していっていた経緯などが明かされました。

そして、最後に言い残したことはないかと聞かれると「一人の命を奪ったこと、それが母親であったことを重く受け止めて欲しい」などと述べました。

一方、検察側からの質問では、事件前後の榎本被告の言動などについて問われ、犯行現場の萬里子さんの寝室に血痕が残されていたことや、榎本被告が遺棄現場の鶴岡市に向かっていたことなどから、検察が「被告が母親を殺めてしまったかもしれないと思ったか」と尋ねると、「はい」と答えました。

裁判はあすも開かれ、被告人質問が行われます。