鹿児島県警本部長の指示、「捜査は中止」と誤って伝わり2日間中断…枕崎署員の盗撮事件

AI要約

鹿児島県警で不祥事が相次いだことを受け、警察庁が特別監察を開始。

捜査中に指示の誤伝達で事件が2日間中断した事例が明らかに。

内部情報漏えいや不適切な文書作成など、様々な問題が浮上。

 鹿児島県警で不祥事が相次いだことを受け、警察庁は24日、片倉秀樹首席監察官ら3人を同県警に派遣し、特別監察を開始した。

 同県警を巡っては、前生活安全部長・本田尚志被告(60)が内部文書を漏えいしたとして、国家公務員法(守秘義務)違反で起訴されたほか、別の情報漏えい事件や盗撮事件などで、今年に入り現職警察官が3人逮捕、起訴された。

 県警によると、昨年12月に盗撮事件(今年5月、県警枕崎署員を逮捕)が起きた際、野川本部長の指示が枕崎署に誤って伝わり、捜査が2日間中断していた。

 野川本部長は当時の県警首席監察官(現在の鹿児島中央署長)から枕崎署の公用車と同じ車種のものが防犯カメラに映っていたとの報告を受けた。その際、ナンバーなどが不明で署員を容疑者とする証拠が乏しいとして、同署で引き続き捜査し、不祥事防止の教育を行うよう指示した。

 その後、首席監察官が枕崎署長に野川本部長の指示を伝えた際、「捜査は中止し、教養を行う」と同署長に誤って伝わり、捜査が2日間中断。野川本部長はその理由について、「私が相手(署長)の気持ちに立って説明しなかったことが原因かもしれない」と述べた。同庁は、野川本部長を長官訓戒、当時の首席監察官を口頭厳重注意とした。

 また、県警は昨年10月に発行した「刑事企画課だより」で、再審請求対策などとして捜査資料の廃棄を促すような文書を作成。翌11月に警察庁から指導を受け、表現が不適切だったとして内容を修正したという。

 起訴状などによると、本田被告は県警を退職直後の3月28日頃、札幌市のライターに県警霧島署員によるストーカー事案の処理結果を印字した書面を郵送し、職務上知り得た秘密を漏らしたとされる。