被災した金沢21世紀美術館が全面再開 半年ぶり「プール開き」も

AI要約

能登半島地震の影響で一部閉鎖が続いていた金沢21世紀美術館が全面再開し、約半年ぶりの「プール開き」が行われた。

来館者はスイミング・プール内で写真撮影を楽しむなどし、夏を感じることができた。

美術館は地震の影響で有料ゾーンの展示室に被害があり、安全確保のため800枚のガラス板を外して全面再開するまでに時間がかかった。

被災した金沢21世紀美術館が全面再開 半年ぶり「プール開き」も

 能登半島地震の影響で一部閉鎖が続いていた金沢21世紀美術館(金沢市)が22日、全面再開した。同館を象徴する展示作品「スイミング・プール」の中にも入れるようになり、約半年ぶりの「プール開き」を楽しむ人でにぎわった。

 北陸地方が梅雨入りしたこの日、午前10時の開館前から長蛇の列ができた。午前中は日が差し込み、水面の揺れが映るスイミング・プール内部で来館者が写真撮影を楽しんだ。名古屋市から来た大学職員、高木秀明さん(62)は「今年プールや海はまだ。ちょっと泳いだ気になれた」。横浜市の40代の女性会社員は「プール内の蒸し暑さからも夏を感じられて楽しかった。金沢の方まで地震の影響を受けて閉まっていたということで、改めて被害の大きさを感じました」と話した。

 同館によると、元日の地震で有料ゾーンの展示室の天井のガラス板約70枚が落ちたりひび割れたりした。他の展示室でも壁にひびが入るなどの被害があった。1カ月余り休館した後、2月6日から交流(無料)ゾーンの一部のみを再開していた。

 有料ゾーンの天井は高さ4・5~12メートル。安全確保のため有料ゾーンなど全15室の天井のガラス板計約800枚を外すことにしたが、業者には被災地の復興を優先してもらい、全面再開までに時間がかかった。