【6/20は世界難民の日】難民の子どもの幸せ願うこいのぼり 国連大学などで掲揚 UNHCR

AI要約

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日事務所が6月10日から、東京・渋谷の国連大学本部ビルで「世界難民の日こいのぼり」を掲揚している。難民の子どもたちの幸せを願って制作された3匹の青いこいのぼりが、初夏の空を背景に泳ぐ。

UNHCRのシンボルカラーの青をベースに、日本の伝統的な柄や、「人を守る、人の手」の意味を持つUNHCRのロゴから着想を得たというモチーフがあしらわれている。

渋谷さんはこいのぼりに込められた思いを語り、「苦境のときほど空を見上げて、悠々としたこいのぼりの姿に勇気をもらってほしい」と述べている。

【6/20は世界難民の日】難民の子どもの幸せ願うこいのぼり 国連大学などで掲揚 UNHCR

6月20日の「世界難民の日」に合わせて、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日事務所が6月10日から、東京・渋谷の国連大学本部ビルで「世界難民の日こいのぼり」を掲揚している。難民の子どもたちの幸せを願って制作された3匹の青いこいのぼりが、初夏の空を背景に泳ぐ。同事務所は、難民に関心を寄せるきっかけにしてほしいという。

世界難民の日こいのぼりは、2022年から国連大学などで掲揚されている。デザインはミャンマー出身で8歳のときに難民として来日したファッションデザイナー・渋谷ザニーさんが手がけ、制作はこいのぼりの最大手「徳永こいのぼり」(岡山県和気町)が担当した。

UNHCRのシンボルカラーの青をベースに、日本の伝統的な柄や、「人を守る、人の手」の意味を持つUNHCRのロゴから着想を得たというモチーフがあしらわれている。

今年の国連大学での掲揚は6月10日に始まり、6月23日までの予定。このほか、岡山市役所と渋谷さんが通った和敬保育園(東京都板橋区)でも6月20日まで掲げられており、6月20日からは文京シビックセンター(東京都文京区)の入り口前で掲げられる。また、初めて長崎市役所と熊本城での掲揚も予定されている。

渋谷さんは自らのブランド「ZARNY(ザニー)」を立ち上げ、社会貢献活動もおこなっている。こいのぼりに込めた思いについてこう話す。

「徳永こいのぼりの職人たちと出会い、『戦後、空襲で焼け野原になった灰色の街並みにこいのぼりが泳ぐ姿を創業者が見て、こいのぼりをつくり始めた』という話を聞いて心に響きました。こいのぼりは、コイが急流を逆らってのぼる姿に子どもの出世や健康の祈りを重ねるもの。日本の伝統文化を継承しながら、子どもたちに希望を伝えたい。苦境のときほど空を見上げて、悠々としたこいのぼりの姿に勇気をもらってほしい」

難民の存在は日本で暮らす人にとって、縁遠いものと考えられがちだ。

「僕が当事者だからこその言葉だけれど、存在を知ってほしい。僕自身も日本に来たとき、学校へ行けずにまず和敬保育園を頼ることになり、そこで存在を知ってもらったことが今日につながっているのかなと思います。強風が吹いても、逆境にあっても、泳ぎ続けている。右に左に逆らいながらも身をこなしつつ生きている難民たちがいるというのを、こいのぼりを通じて知ってもらいたいですね」