立民と国民民主、都知事選巡り深まる溝 玉木氏「共産と一体の候補、応援できず」

AI要約

東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)を巡り、立憲民主、国民民主両党の溝が深まっている。3選を目指して立候補する方針の小池百合子都知事(71)、無所属で出馬する立民の蓮舫参院議員(56)の争いが軸となる見通しで、立民は共産党とともに蓮舫氏を支援する構えだ。

国民民主は、基本政策で隔たりがある共産と組む姿勢を問題視し、蓮舫氏陣営とは距離を置く考えを重ねて示している。立民は、小池氏と蓮舫氏の「与野党対決」を演出し、派閥のパーティー収入不記載事件の逆風にさらされる自民への攻勢を強める構えだ。

立民の泉健太代表と玉木氏は、次期衆院選を見据えて基本政策一致を図る協議の可能性を模索しているが、繰り返し対応が分かれたことで禍根を残す可能性もある。岡田氏は会見で、基本政策協議を「歓迎したい」と表明する一方、「本気でそう考えておられるのなら」と前置きすることも忘れなかった。(深津響)

立民と国民民主、都知事選巡り深まる溝 玉木氏「共産と一体の候補、応援できず」

東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)を巡り、立憲民主、国民民主両党の溝が深まっている。3選を目指して立候補する方針の小池百合子都知事(71)、無所属で出馬する立民の蓮舫参院議員(56)の争いが軸となる見通しで、立民は共産党とともに蓮舫氏を支援する構えだ。国民民主は、基本政策で隔たりがある共産と組む姿勢を問題視し、蓮舫氏陣営とは距離を置く考えを重ねて示している。

「共産と一緒に、あるいは一体となって活動する候補者の応援は困難だ」

国民民主の玉木雄一郎代表は11日の記者会見でこう述べ、蓮舫氏支援には回らない方針を重ねて示した。

また、蓮舫氏を紹介するチラシを「共産が作っている」と指摘した上で、「共産主導の候補予定者に見えてしまう。都民にもそう見えている」と強調した。

対照的に、小池氏に対しては肯定的な評価を口にした。自民都連が支援を決めたことが「プラスに働くかどうかは疑問だ」としながらも、「国政とは切り離し、実績やビジョンを堂々と語れば都民に届くのではないか」と述べた。国民民主の都知事選対応については「未定」と説明した。

一方で立民は、小池氏と蓮舫氏の「与野党対決」を演出し、派閥のパーティー収入不記載事件の逆風にさらされる自民への攻勢を強める構えだ。

立民の岡田克也幹事長は11日の会見で、国民民主の姿勢に対し「自民とがっちり組んでいる小池氏を応援するという判断をされているとすると、それは間違っていると私は思う」と不快感を示した。都知事選の位置づけを問われると「小池都政の評価、自民とがっちり組んでいることが問われる」と主張した。

共産との距離感が火種となって立民、国民民主両党間にすきま風が吹く展開は、4月の衆院東京15区補選と重なる。共産は擁立予定者を取り下げて立民候補の支援に回り、国民民主は小池氏が支援する無所属候補を推薦した。

立民の泉健太代表と玉木氏は、次期衆院選を見据えて基本政策一致を図る協議の可能性を模索しているが、繰り返し対応が分かれたことで禍根を残す可能性もある。

岡田氏は会見で、基本政策協議を「歓迎したい」と表明する一方、「本気でそう考えておられるのなら」と前置きすることも忘れなかった。(深津響)