大阪・羽曳野殺人事件 被告「やっていません」、起訴内容を否認

AI要約

大阪府羽曳野市で男性が刺殺された事件の裁判員裁判が始まり、被告は無罪を主張。

検察はドライブレコーダーの映像やトラブルの可能性を根拠に被告を犯人と断定。

被告は長期にわたる捜査でも関与を否定し、公判は判決まで数ヶ月かかる見込み。

大阪・羽曳野殺人事件 被告「やっていません」、起訴内容を否認

 大阪府羽曳野市の路上で2018年2月に男性(当時64歳)が刺殺された事件で、殺人罪に問われた無職の山本孝被告(48)の裁判員裁判の初公判が10日、大阪地裁(山田裕文裁判長)であった。山本被告は「私はやっていません。犯人ではありません」と起訴内容を否認し、無罪を主張した。

 起訴状によると、山本被告は18年2月17日午後9時45分ごろ、通行中の男性の背中を刃物で1回突き刺し、出血性ショックで死亡させたとされる。

 検察側は冒頭陳述で、事件当時に現場周辺をうろつく人物を記録したドライブレコーダーの映像について、「山本被告と身体的特徴が合致し、着衣も矛盾はない」と指摘。隣に住む男性の知人が置いた植木鉢を巡り、山本被告が男性とトラブルを抱えていた点などを挙げ、「山本被告が殺害した」と述べた。

 弁護側はこれらの映像は不鮮明で、「山本被告と一致するという映像の鑑定結果はない」と主張。「約4年にわたる長期間の捜査で十分な証拠は発見されていない。疑いは的外れで無実だ」と訴えた。

 この事件は発生から約4年後の22年2月、府警が殺人容疑で山本被告を逮捕した。山本被告は当初から捜査線上に浮上していたが、一貫して関与を否定。公判は十数人の証人尋問や予備日を含む全28回を見込み、判決は9月27日に言い渡される予定。【木島諒子】