「私は犯人ではない」無罪を主張した男 6年前の殺人事件の『真相』は?  3カ月以上に及ぶ異例の裁判員裁判の行方

AI要約

大阪府羽曳野市で男性を刃物で刺して殺害した罪に問われている男の裁判員裁判が始まり、被告は無罪を主張している。

背景には被告の無実主張や検察の不確かさがあり、異例とも言える3カ月以上にわたる裁判が行われている。

裁判員裁判は犯行を証明する直接的な証拠がないため、間接的な証拠を積み重ねるために長期化している。

「私は犯人ではない」無罪を主張した男 6年前の殺人事件の『真相』は?  3カ月以上に及ぶ異例の裁判員裁判の行方

2018年、大阪府羽曳野市で男性を刃物で刺して殺害した罪に問われている男の裁判員裁判が始まり、男は「私はやっていません。私は犯人ではありません」と無罪を主張した。

​ 異例ともいえる3カ月以上に及ぶ裁判員裁判の背景に一体、何があるのだろうか。

10日、大阪地方裁判所で行われた初公判で、無罪を主張した山本孝被告(48)。 山本被告は6年前、羽曳野市の路上で会社員の平山喬司さんを刃物で刺して殺害した罪に問われている。

平山さんの死因は、背中を刃物で一突きされたことによる出血性ショックだったが、凶器や目撃者は見つからず捜査は難航。

そして、事件から4年後、逮捕されたのは当時、平山さんがたびたび訪れていた知人女性の自宅の隣に住んでいた山本被告だった。

山本被告が隣人女性と植木鉢の置き方などを巡って度々トラブルになり平山さんが仲介に入っていたことや、防犯カメラに映っていた不審な男の特徴などから捜査線上には、早くから山本被告が浮上していた。

一方、山本被告は当初から一貫して無実を主張している。

逮捕前の山本被告(2018年5月): 証拠なんてやってもないから出るわけない。

事件から6年。6月10日にようやく始まった裁判で検察側は、「被告人は平山さんの知人と植木鉢を巡ってトラブルがあり、犯行動機がある。またドライブレコーダーの映像から、犯人と身体的特徴が一致することから、被告人が犯人である。被告人は犯行前に被害者を監視していて、被害者が車を降りるのに合わせて犯行に及んだ」と指摘した。

一方、弁護側は「被告人が犯人であるという痕跡はなく、直接証拠がない」と無罪を主張した。

裁判では、今後、捜査関係者を中心とした16人の証人尋問が予定されている。 判決は9月。異例ともいえる3カ月余りを有する裁判員裁判だ。

主任弁護人 伊賀興一弁護士:なぜそんなに長い裁判なのかといったら、我々弁護団から見たら検察は『決め手』がない。状況証拠だけ、直接証拠が全くない。

山本被告の弁護団は、犯行を証明する直接的な証拠がなく、犯行を推認させる間接的な証拠を積み重ねるため裁判が長期に及ぶと主張している。